2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J09367
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 宏 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | LSI / ECO / 論理再合成 / インクリメンタル合成 / 設計誤り / LUT |
Research Abstract |
スタンダード・セル方式のLSI設計において,マスクの製造終了後に発生した仕様変更や論理設計誤りによる設計変更要求(ECO : Engineering Change Order)に対して,設計誤りの自動修正手法を応用することにより,一部のマスクを再利用するための手法を考案・実現した。 LSI設計においては,チップ上にあらかじめ埋め込まれたスペアセルを利用することにより,マスク製造後,あるいはレイアウト設計終了後の設計変更要求に対応する。従来は,手作業によるネットリストの修正が行われていたが,設計誤りの自動修正手法を用いることによりネットリスト修正を自動化する。設計誤りの自動修正手法は,誤りを含む回路のネットリストと論理関数により記述される仕様とを入力することにより,最小の変更で仕様を満足する修正方法を提示する。そこで,考案手法では,仕様変更前のネットリストを誤りのある回路のネットリストと見なし,新仕様を満足する修正方法を求める。得られた修正方法をスペアセルにより実現することで,拡散層およびポリシリコン層形成用マスクの再利用が可能となる。実験では,ネットリストレベルで無作為に挿入した4箇所の設計変更に対して論理診断を適用した。実際にレイアウト設計を行った結果,セル配置を変更せずに設計変更に対応可能であることを確認した。また,論理診断を用いることにより,73%の回路例に対してあらかじめ挿入した変更とは異なる修正方法が見つかり,多様な修正方法を提示できることが示された。 さらに,配線のために必要となるメタル層,およびビア層形成用のマスクの再利用についても検討を行い,ベンチマーク回路を用いたレイアウトの結果,最大で,4枚のメタル層形成用のマスクと再利用メタル層間の3枚のビア形成用マスクの計7枚の配線用マスクが再利用可能であることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 沼 昌宏: "真理値シミュレーションに基づくLUT論理診断手法"情報処理学会論文誌. 43・5. 1252-1259 (2002)
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[Publications] 井上 宏: "論理診断に基づく論理再合成手法"DAシンポジウム2002論文集. 2002・8. 229-234 (2002)
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[Publications] Hiroshi Inoue: "An improved multiple error diagnosis technique using symbolic simulation with truth variables and its application to incremental synthesis for standard-cell design"Proceedings of the workshop on SASIMI. 2003・4(発表予定). (2003)