2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺跡の公園化における環境デザイン手法の開発-吉野ヶ里遺跡を事例として-
Project/Area Number |
01J09472
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤田 英樹 筑波大学, 芸術学系, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 歴史公園 / 吉野ヶ里遺跡 / 情報化 / データベース / GIS / 環境デザイン |
Research Abstract |
本年度は、科研費によって購入したデジタルカメラ一式を用い、開園した国営吉野ヶ里歴史公園において、360度の視界をもった3次元ムービーを作成し、それらをGIS上にリンクさせ、仮想空間マップを展開する作業を中心におこなった。これに先行して同様の作業を国営武蔵丘陵国営公園において実験的におこない、公園内の施設管理当に対して、これらの情報が有効に利用できることを立証している。また、遺跡発掘時にえられた図面等から作成したGISデータをもとに、コンピュータグラフィックスによる仮想空間の構築をおこなっている。これらの成果物はインターネットを通じて公開することを計画している。 さらに、昨年度に引きつづき、吉野ヶ里遺跡における遺跡情報のデータベース化を進めており、これに関連して、佐賀県・福岡県における遺跡分布を両県の教育委員会の協力のもと、両県の遺跡地図からGIS上に展開する作業を進めている。遺跡公園はひとつの空間としての遺跡を対象に計画・運営されているのに対して、歴史を学んだり研究したりという観点からは、周辺の遺跡との関連が非常に重要であるということから、公園の計画やその後の計画・運営・展示等において、周辺遺跡との関連を知るのに役立つはずであるという理由で進めているものである。 これらは本研究における、中心となるもののひとつであり、歴史公園における遺跡情報の効果的な発信・展示に役立つものとなる。また、今年度の成果に関しては、指導教官である筑波大学鈴木雅和助教授らとの共著による、ランドスケープGIS(ソフトサイエンス社)に、原稿を寄せており、2003年5月に刊行予定となっている。 また、奈良文化財研究所が中心となって設立された、日本遺跡学会の設立に際し、その発起人の一人として参加している。
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Research Products
(1 results)