2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J09561
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 貴之 筑波大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 転写 / 転写仲介因子 / クロマチン / 遺伝子発現制御 / 核移行シグナル / 核移行 |
Research Abstract |
RHAはDEAXファミリーに属するATPase/helicaseであり、その機能は転写仲介因子CBPや乳癌原因遺伝子産物BACA1とRNA polymerase IIとの間の仲介による転写活性化のほか、核と細胞質間を行き来することや、ウイルスの転写および転写後修飾に関わることなどから、多段階で遺伝子発現に関与すると考えられている。 1.RHAの細胞内局在変化と転写調節機構との関わり 以前に行った研究からRHAの核移行には、2つの核移行受容体(importin-αおよび-β)のヘテロ二量体形成がRHAの核移行シグナルへの結合に必要であり、そのメカニズムとしてはimportin-αがRHAの核移行シグナルへ結合するが、importin-αのN末端部位がその結合を阻害し、importin-βが-αに結合することによって阻害が解除されることを解明したが、さらに解析を進めた結果、以下のようなことが明らかとなった。 哺乳類のimportin-αは3つのサブファミリー(Rch1,NPI-1,Qip1)に分類されることが知られていたが、この3つのサブファミリーのRHAの核移行シグナルへの作用を検討した結果、Rch1とQip1がRHAの核移行を促進するのに対し、NPI-1は効果がなく、RHAの核移行シグナルに対してimportin-αのサブファミリーが選択性を持つことが明らかとなった。 2.クロマチン化された鋳型DNAからの転写に対するRHAの関与の解析 核内受容体を介してRHA/CBP複合体の標的遺伝子と考えられるヒトアンギオテンシノーゲン遺伝子(ANG)のin vivoにおけるクロマチン構造の解析を進めたところ、ANGを発現しているHepG2細胞と発現していないHeLa細胞とではANGのプロモーター領域に対するDNA分解酵素に対する感受性が異なることを見いだした。
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Research Products
(1 results)