2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J09808
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宇都 克裕 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | Nek2 / 中心体 / タンパク分解 / アフリカツメガエル / 中期胞胚遷移 / Cdc25A |
Research Abstract |
私はツメガエルNek2キナーゼの単離及び機能解析を行ってきた。これまでに、Nek2が中心体に局在し細胞周期のG2期における中心体の成熟・構造の維持に必要であることを明らかにしてきた。今年度は以下の点で進展が見られた。 Nek2Aの分解機構解析:Nek2Aは分裂期(M期)の前中期に分解されはじめ、その分解はG1期まで持続する。私はNek2Aタンパクの一次配列内にある2つの分解シグナル(KENボックス及びMR配列)を同定した。Nek2AはAnaphase-promoting complex (APC)と呼ばれる複合体型ユビキチンリガーゼによってユビキチン化され分解される。APCは2つの基質認識サブユニットを用いて基質と結合するが、分裂期前中期から後期にかけてはFZYサブユニットを用い、分裂期終期からG1期にかけてはFZRサブユニットを用いている。FZYは基質のDボックス(RXXL配列)を認識して結合するとされるが、Nek2AはDボックスを持たず、FZYとの結合にはMR配列が必要であった。FZRは基質のKENボックスを認識するとされるが、Nek2AとFZRとの結合にはKENボックスとMR配列が同様に重要であった。これらの結果は、MR配列が新規のAPCによる認識配列であることを強く示唆している。 このほかにも、私はツメガエルの卵割期から典型的体細胞分裂期へ移行する中期胞胚遷移(MBT)における細胞周期の伸長に、DNA複製チェックポイント機構が用いられており、そのエフェクターとしてChk1キナーゼが必須であることを明らかにした。また、MBTで分解される卵割期特異的なCdc25AフォスファターゼがChk1キナーゼにより直接的にリン酸化され、このリン酸化が分解に必須であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shimuta K., Nakajo N., Uto K., Hayano Y., Okazaki K., Sagata N.: "Chk1 is activated transiently and targets Cdc25A for degradation at the Xenopus midblastula transition"The EMBO Journal. 21(14). 3694-3707 (2002)
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[Publications] 佐方功幸, 志牟田健, 宇都克裕, 中條信成: "初期発生における細胞周期のチェックポイント制御"実験医学. 21(5)(印刷中). (2003)