2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J09855
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 将紀 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / セジロウンカ / 殺卵遺伝子 / 液浸化 / マップベースドクローニング法 / DNAマーカー / DNA塩基配列 / 形質転換 |
Research Abstract |
分げつ期の日本型イネにウンカ類(セジロウンカ,トビイロウンカ)が産卵すると,殺卵活性をもつ安息香酸ベンジルを含む分泌液で細胞間隙が満たされた液浸化が誘導される.その結果,卵が高率で死亡し,ウンカ類の増殖が抑制されることが明らかになっている.これまでにセジロウンカに対するイネの殺卵遺伝子Ovc(Ovicidal gene)を同定し,イネの染色体6上に位置付けた.Ovcは殺卵特性の発現に必須であり,昆虫の産下卵を殺す植物の遺伝子として初めて報告されたものである.イネの殺卵特性の遺伝的機構の解明のために,マップベースドクローニング法によるOvcの単離を試みた. 日本型イネ品種「日本晴」(Ovcを保有)を遺伝的背景とし,染色体6上のOvc領域がインド型イネ品種「Kasalath」(Ovcなし)に置換した系統に「日本晴」を戻し交雑して得られた自殖F_2集団を用い,Ovcの高密度連鎖地図を作製した.その結果Ovcが約21kbの領域に存在することが明らかになり,この領域には計4個の候補遺伝子が予想された.一方,Ovcを保有する日本型イネ品種「日本晴」と「あそみのり」,ならびにOvcをもたないインド型イネ品種「Kasalath」と「IR24」におけるOvc候補領域約21kbのDNA塩基配列をそれぞれ決定した.その結果Ovcの有無を区別出来得るDNA多型が,ある領域に集中して存在することが明らかになった.この領域には遺伝子が1個予測されており,この遺伝子を最重要候補として,現在形質転換による相補性検定ならびにcDNAの決定を行っている. 以上のことから,セジロウンカに対するイネの殺卵遺伝子Ovcの候補遺伝子を4個まで絞り込み,特に1個の候補遺伝子が有力であることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)