2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J09855
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 将紀 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / セジロウンカ / 殺卵遺伝子 / 液侵化 / マップベースドクローニング法 / DNAマーカー / PAC / BACクローン / 形質転換 |
Research Abstract |
分げつ期の日本型イネにウンカ類(セジロウンカ,トビイロウンカ)が産卵すると,殺卵活性をもつ安息香酸ベンジルを含む分泌液で細胞間隙が満たされた液浸化が誘導される.その結果,卵が高率で死亡し,ウンカ類の増殖が抑制されることが明らかになっている.これまでにセジロウンカに対するイネの殺卵遺伝子0vc(Ovicidal gene)を同定し,イネの染色体6上に位置付けた.0vcは殺卵特性の発現に必須であり,昆虫の産下卵を殺す植物の遺伝子として初めて報告されたものである.イネの殺卵特性の遺伝的機構の解明のために,マップベースドクローニング法による0vcの単離を試みた. 日本型品種「日本晴」(0vcを保有)を遺伝的背景とし,イネ染色体6上の0vc領域がインド型品種「Kasalath」(0vcなし)に置換した系統に「日本晴」を戻し交雑して得られた自殖F2集団を用い,0vcの高密度連鎖地図を作製した.その結果Ovcが「日本晴」由来の1つのPAC(P1-derived artificial chromosome)クローンに座乗し,約27kbの領域に存在することが明らかになった.農水省イネゲノムプロジェクトチームが作成したウェブサイトRiceGAAS(Rice Genome Automated Annotation System : http://ricegaas.dna.affrc.go.jp/)を利用して,候補遺伝子を探索した結果5つの候補遺伝子が予想された.現在形質転換による相補性検定を行っている.
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Research Products
(1 results)