2003 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン-プロテアソーム分解制御系におけるDsk2/XDRP1の機能解析
Project/Area Number |
01J09876
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舟越 稔 九州大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | Dsk2 / ユビキチン / プロテアソーム / XDRP1 / Sem1 |
Research Abstract |
DSK2の過剰発現による生育阻止に耐性を示す変異株の分離を行ない、sem1変異株を同定した。変異sem1遺伝子の変異部位を同定したところ、コードする蛋白質の中央領域に終止コドンが生じる変異を起こしていた。SEM1破壊株を作製し、表現型を確認したところ、変異株と同様にDSK2の過剰発現による生育阻止に耐性であり、温度感受性を示した。 同じスクリーニングにより、プロテアソームの機能に欠損を示す変異株が分離されているので、sem1変異株も同様の欠損を示すかどうか確認した。まず。sem1破壊株において細胞内のポリユビキチン鎖が蓄積していることがわかった。次に、プロテアソームのサブユニットの遺伝子の変異であるrpn1-821とsem1との二重変異株、及びpre2-75とsem1との二重変異株を作製したところ、温度感受性の制限温度が低下した。さらに、sem1破壊株においてプロテアソームの基質蛋白質の分解速度が低下していた。以上のことから、sem1変異株はプロテアソームの機能に欠損を示すことか示唆された。 Sem1は、ヒトの遺伝子DSS1と相同性を示し、DSS1はBRCA2蛋白質と複合体を形成することが報告されている。BRCA2の、DSS1と相互作用する領域とアミノ酸配列を用いて蛋白質を検索したところ、出芽酵母のプロテアソームのサブユニットPre9が相同性を示すことがわかった。Sem1はPre9と細胞抽出液において、また試験管内において結合した。次に、出芽酵母のプロテアソームとSem1との結合を確認するため、プロテアソームを免疫沈降したところ、Sem1が共沈した。また、ATP非存在下では、プロテアソームの19Sサブユニットと相互作用することがわかった。 以上のことから、Sem1はプロテアソームのサブユニットであることが明らかとなった。
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