2002 Fiscal Year Annual Research Report
深部地下岩盤の流体移動現象解明とその隔離性評価に関する研究
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01J09971
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹田 幹郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 深部地下地盤 / 岩石 / 流体移動特性 / 難透過性 / 不飽和浸透流特性 / 隔離性 / 室内浸透流試験 / 原位置浸透流試験 |
Research Abstract |
本年度は,ASTM Internationalや地盤工学会で岩盤を対象とする原位置透水試験として基準化されているパルス試験と定圧注水試験に関して,難透過性岩盤への適用性を明らかにすることを目的に,以下に示す項目を解析的に検証した. 1.透水係数及び比貯留率の影響 難透過性環境下では両試験ともに,極めて長時間を要し,貯留特性の影響は試験区間における水頭あるいは流量が大きく変化する非定常状態の初期段階で顕著となることが明らかとなった.従って,比貯留率を評価するには,非定常状態初期でのデータ取得及びこれを用いた評価が肝要となる. 2.試験の影響範囲 定圧注水試験では時間の経過に伴い影響範囲(間隙水圧が変化する範囲)は拡大するが,定常状態に達するまでに極めて長時間を要する.これと比較し,パルス試験が要する時間は短いが,影響範囲は非常に狭く,透過性以外の地層特性や試験条件が同じであれば,影響範囲は同じとなる. 3.解析方法 定常解析と非定常解析の差異を検証した結果;(1)定圧注水試験においては,貯留特性を考慮しない定常解析でも,定常状態のデータを用いれば,貯留特性が顕著な地層の透過性を評価できる.(2)非定常解析では地層を準3次元均質等方と仮定するが,非定常状態のデータを用いれば,3次元的な地層の特性の評価が可能である. 4.異方性および不均質性の影響 均質等方を仮定する解析理論と原位置の乖離により;(1)透水係数は実岩盤の最も卓越した透過性より低く評価される.(2)試験結果は試験区間周囲の限られた範囲を代表する値として評価される.従って,試験井掘削時に岩盤に乱れが生じると,試験結果もその影響を強く受ける恐れがある.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mikio TAKEDA: "Numerical Studies on Interpreting the Data of In-Situ Permeability Tests"Rock Engineering-Problems and Approaches in Underground Construction. 1. 941-946 (2002)
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[Publications] Mikio TAKEDA: "Effects of Anisotropy and Heterogeneity of Rock Mass on In-Situ Permeability Tests"Proceedings of ISRM 10th International Congress on Rock Mechanics. 10(In press). (2003)