2002 Fiscal Year Annual Research Report
処理内容に合わせ自由にプログラムの実行を制御できるプログラム実行環境に関する研究
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01J10232
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田端 利宏 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手
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Keywords | プログラム実行環境 / スケジューリング / 実行速度の調整 / 実行時間の保証 / 通信帯域制御 / オペレーティングシステム |
Research Abstract |
1.複数のスケジューリングポリシを共存させ、プログラムの処理内容に合わせて、自由にスケジューリングポリシを共存させる機構に関する研究成果として、複数のプロセスからなるサービスの実行性能を保証する方式を提案した(情報処理学会研究報告)。提案した方式では、サービスの処理内容に合わせて、複数のスケジューリングポリシを適用することを可能にしている。実アプリケーションの例として,現在インターネット上で広く利用されているApache Webサーバを用い,提案方式を用いて評価した.評価の結果,サービス(Webサーバ)を単位として実行速度を調整することができ,さらにWebサーバの実行性能を保証し,Webサーバの応答時間を保証できることを示した. 2.再利用可能なOS資源を効率的に管理する手法を提案し,実装と評価を行った(情報処理学会コンピュータシステム・シンポジウム).この機構を用いることにより,プログラムの実行の際に必要となるプロセスの生成と消滅処理を高速化することができ,プログラムの実行をより効率よく行うことが可能となる.上記に示したApache Webサーバを用いてその効果を明らかにする予定である. 3.OSの資源を永続化する基本方式を提案した(FIT2002).この機構を実現することにより,計算機が緊急停止した場合でも,計算機の再起動後に,再起動前のOS資源をそのまま利用することができる.また,計算機の緊急停止によりプログラム処理結果が失われることを防ぐことができる. 4.プログラムの実行速度を調整する機能を利用して,通信帯域を調整する方式について検討し,評価結果した(情報処理学会 第65回全国大会で発表予定).本研究では,プログラム実行速度調整機能を利用して,通信帯域を調整できることを示した.今後の課題として,調整性能とパケット到着間隔の関係の分析がある.また,この機能を用いることで,プログラムのコンテンツに合わせて通信帯域を調整することが期待できる.したがって,様々なプログラムを用いて提案方式の有効性を確認する予定である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 田端 利宏, 谷口 秀夫: "プロセス構成資源の効率的な再利用をめざした資源管理法"情報処理学会コンピュータシステム・シンポジウム論文集. 2002・18. 21-28 (2002)
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[Publications] 田端 利宏, 野口 直樹, 中島 耕太, 谷口 秀夫: "Webサーバを利用したTenderの資源「演算」の評価 -複数プロセスの実行性能調整機能-"情報処理学会研究報告. 2002・60. 33-40 (2002)
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[Publications] 的野 司, 田端 利宏, 谷口 秀夫: "Tenderにおけるプレート機能を利用した資源の永続化"第一回 情報科学技術フォーラム(FIT2002)一般講演論文集. 1. 179-180 (2002)
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[Publications] 田端利宏, 乃村 能成, 谷口秀夫: "プログラム実行速度調整による通信帯域制御"情報処理学会 第65回全国大会講演論文集. (掲載予定). (2003)