2002 Fiscal Year Annual Research Report
外交・安全保障政策の日独比較研究-「防衛構想」と対米関係を中心として-
Project/Area Number |
01J10243
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 琢磨 九州大学, 大学院・法学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 政治学 / 政治外交史 / 安全保障 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づいた今年度の作業および実績に関しては、以下のとおりである。 前年2001(平成13)年度に科学研究費補助金を使用して収集した1次資料を中心にして、2002(平成14)年9月に、拙稿「中曽根康弘防衛庁長官の安全保障構想-自主防衛と日米安全保障体制の関係を中心に-」を『九大法学』第84号に発表した。本稿では、デタント期の日米安全保障体制をめぐる政治過程に関する考察の一環として、中曽根康弘防衛庁長官期(1970年1月〜1971年7月)の日本の安全保障政策、および日米協議の過程を中心に明らかにした。1970年1月に、対同盟諸国への防衛上の役割分担要求としてニクソン政権によって「ニクソン・ドクトリン」が提示されるが、これに対する日本側の政策決定者の対応の側面を示した。 また2003(平成15)年1月に、国内旅費を使用して外務省外交史料館において外交資料を調査・収集した。外交資料は、2002(平成14)年12月に公開された第17回外交記録公開分を中心にあたった。そのほか、デタント期のアメリカ対外政策に関して、"Japan and the United States : Diplomatic, Security and Economic Relations, 1960-1976"に所収分の外交文書を読み進める機会をえた。また3月にアメリカ国立公文書館にて、ニクソン政権期の対日政策および対独政策に関する公文書を調査・収集した。 以上について踏まえたうえで、今後はこれらの史資料を読み進めて整理していくと同時に、中曽根長官期(1971年7月)以後のアメリカの対外政策、および対同盟諸国政策の展開、および日米関係・独米関係の展開について考察を進めていく予定である。それらの成果に関しては、来年度以降活字論文において公表する予定である。
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Research Products
(1 results)