2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J10288
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野中 美佑 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 局所尤度 / モデル評価 / 正則化 / 一般化線形モデル / 判別分析 |
Research Abstract |
本年度は、正則化局所尤度法に基づく非線形回帰モデルに関する理論的研究と、従来提案されている局所尤度法との比較について研究を行った。また正則化局所尤度法を説明変数が多次元の場合に拡張した上で、この手法の判別分析への適用についても研究を行った。これらの研究によって得られた成果を以下に述べる。 1.平成14年5月の応用統計学会シンポジウム(京都)では正則化局所尤度法を提案し、その有効性について講演した。従来の局所尤度法では推定量の不安定性の問題が指摘されていたが、提案する手法によってこの問題点を克服する事ができた。またこの手法の本質的な問題であるモデル評価については、情報量の観点からモデル評価規準を導出し、実データの適用や数値実験を通してその有効性を検証した。そしてこれまでに述べた研究成果の内容をまとめ、現在雑誌「計算機統計学」に投稿中である。 2.説明変数が多次元の場合の拡張についての研究成果は、平成14年9月の統計関連学会連合大会(明星大学)で講演した。1.で述べた局所尤度法における推定量の不安定性の問題は説明変数が多次元の場合にも当てはまり、提案する手法を用いることによって解消することが分かった。しかし一般的にデータの次元が増大すれば、累進的に大きな数のデータを用いなければ次元が低い場合と同じ程度の精度が得られないという事が知られている。これを「次元の呪い」と呼ばれ、この問題については今後の研究課題の一つである。 3.平成15年3月に開催される日本数学会(東京大学)では、正則化局所尤度法を一般化線形モデルの枠組みで構築した上で、これを2群判別問題に適用する方法について講演する予定である。提案した手法に基づく判別分析の多群への拡張と予測誤差の推定法については現在研究中であるが、実際に局所尤度浩と比較して安定した判別領域を構成する事をシミュレーションを通して検証した。
|