2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J10320
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 陽二 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ソリトン / 不規則系 / 光ファイバー |
Research Abstract |
ソリトン伝播に対する単一の不純物の影響は調べられているが、系に不規則に分布した不純物の影響は解析されていない。そこで、数値的及び解析的なアプローチにより、ソリトン伝播に対する不規則性の影響を明らかにする。主に光ファイバー中のソリトンの散乱過程を解析し、光ファイバー通信技術の改善、また光ファイバーの局所的な構造をコントロールすることでビットレートの向上を目指す。 実際の光ファイバー通信では複数の光ファイバーを接続したものを用いるため、光ソリトンは特性の異なる複数のファイバー中を伝播する事になる。そこで、ファイバー特性が異なる領域(非一様領域)をもつ光ファイバーにソリトンを入射するモデルを扱い、ソリトン伝播の特性を数値的に解析した。 光ファイバーに入射された1次のソリトンが、非一様領域を透過後、複数のソリトンの束縛状態(高次のソリトン)になる場合がある事を示した。光ファイバーを特徴付けるパラメーターの様々な値に対して透過波を解析し、高次のソリトンが出現するパラメーターを系統的に調べた。その結果を踏まえ高次のソリトンが出現する条件を示した。 また、光ファイバーのパラメーターが漸近的な値をとる場合について、透過波の特性を解析的手法で示した。その漸近値が数値計算の結果の漸近値と一致する事を示した。 光ファイバーの非一様性の強さに依存して変化する物理量を見つけた。逆にその物理量を測る事で、ファイバーの非一様性の強さを測定する事を提案した。
|