2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J10320
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 陽二 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ソリトン / 不規則系 / 光ファイバー |
Research Abstract |
ソリトン伝播に対する系の単一の不純物の影響は調べられているが、系に不規則に分布した不純物の影響は解析されていない。そこで、数値的および解析的なアプローチにより、ソリトン伝播に対する不規則性の影響を明らかにする。主に光ファイバー中のソリトンの散乱過程を解析し、光ファイバー通信技術の改善、また光ファイバーの局所的な構造をコントロールする事でビットレートの向上を目指す。 また、戸田格子モデルを用いたソリトンの散乱過程を解析し、新しい知見が得られた。 1.複数の光ファイバーを接続した系におけるソリトン伝播を記述するモデル方程式を数値的に解析した。また、摂動理論を用いた解析的手法を適用し、数値計算の結果と比較した。その結果、各ファイバーにおいてソリトンの振幅は大きく変動するにも関わらず、その変動の仕方はソリトンの長期的な減衰率にはあまり影響を与えないことがわかった。 2.単一の非一様領域をもつ光ファイバー中のソリトン伝播の解析に関して得られた研究成果をまとめ、学術論文を執筆した。 3.戸田格子モデルに線形媒質領域を入れ、線形媒質によるソリトンの散乱過程を解析した。主に数値計算を行ない、すべてのパラメーターに対して透過係数を系統的に求めた。線形媒質の特性を操作する事によりソリトンの透過性を飛躍的に高められる事を示した。また、その最適な特性値を解析的に算出した。 4.戸田格子モデルを用い、1次元の戸田格子で厳密解であるソリトンを2次元の系に入射し、境界における散乱過程と2次元媒質中での減衰過程を数値的に解析した。
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Research Products
(1 results)