2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J10556
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 渉 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員-PD
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Keywords | 緩歩動物門 / 異クマムシ綱 / 分類学 / 新分類形質 |
Research Abstract |
平成14年8月5日〜8月22日に、ロシア連邦マガダン州において陸産クマムシ類の採集を行った。これまでマガダン州のクマムシ類についての報告は皆無である。現地調査では、ロシア科学アカデミーのYuri Marusik博士の協力を得て、マガダン市とその周辺域のほか、Kontakt Biological Station(ロシア科学アカデミー所有)の周辺域において、蘚苔類および地衣類を多数採取することができた。採取した蘚苔類および地衣類を研究室に持ち帰り、陸産クマムシ類の抽出作業およびプレパラート標本の作製を行っているところである。現在までのところ、ヤマクマムシ属、ツメボソヤマクマムシ属、チョウメイムシ属、コガタチョウメイムシ属、オニクマムシ属の計3科5属の陸産クマムシ類を確認した。分類学的に興味深い種について、順次論文として公表する予定である。 また、クマムシ類の分子系統学的研究については、現在のところ10種について28S ribosomal DNAの塩基配列を決定することができた。近隣結合法を用いた系統解析により、異クマムシ綱と真クマムシ綱はお互い単系統群を形成することが示唆された。 さらに、平成13年7月〜8月にかけてロシア連邦サハリン島において採集を行った陸産クマムシ類についても、現在引き続きプレパラート標本の作製を行っている。未記載種や新記録種など、分類学的に興味深い種についての論文を現在作成中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Wataru, Abe, Norio, Kobayashi: "Phylogeny of tardigrades (water bears) inffered from 28S rDNA sequences"Zoological Science. 19(12). 1424 (2002)