2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J10739
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中川 宏治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ユビキチン / SUMO-1 / PIAS / 翻訳後修飾 / 転写制御 / 癌遺伝子・癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
昨年度、癌抑制因子IRF-1の結合タンパク質として同定した、ユビキチン様タンパク質SUMO-1のリガーゼ(E3酵素)であるPILAS3についてその機能解析を行った。初めに、動物細胞中におけるPIAS3とIRF-1の結合を確認し、PIAS3のdeletion mutantを用いてPIAS3上のIRF-1結合ドメインを同定した。次に、293T細胞を用いた強制発現系の実験から、PIAS3依存的にIRF-1がSUMO-1化修飾されることを見出した。これらの結果から、PIAS3はUBC9とIRF-1の相互作用を増強することにより、IRF-1のSUMO-1化修飾を促進していることが明らかとなった。また、PIAS3によるIRF-1の転写活性に対する影響をluciferase assayにより解析した結果、PIAS3はSUMO-1リガーゼ活性依存的にIRF-1の転写活性を抑制した。以上の結果からPIAS3はSUMO-1リガーゼであり、IRF-1のSUMO-1化修飾を促進することにより、転写活性を負に制御していると結論した(FEBS lett 530,204-208,2002)。 次に、PIASタンパク質の生理的機能についてさらに解析を進める目的でyeast two-hybrid法を用いてPIAS結合タンパク質を探索した。その結果、PIAS1結合タンパク質として、DNA損傷チェックポイントの制御因子であり、癌抑制因子として機能するChk2(check point kinase2)を同定した。293T細胞における強制発現系の実験から、PIAS1がChk2のSUMO-1化修飾を促進ことが判明した。これらの結果から、Chk2はSUMO-1リガーゼPIAS1の新規の基質であることが明らかとなった(投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)