2002 Fiscal Year Annual Research Report
リゾチーム〜α-ラクトアルブミンの折りたたみ中間体の構造と物性
Project/Area Number |
01J10878
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小橋川 敬博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | NMR / モルテングロビュール / フォールディング / カルシウム結合 / リゾチーム / α-ラクトアルブミン |
Research Abstract |
本年度はイヌミルクリゾチーム(Canine Milk Lysozyme : CML)のMolten Globule(MG)状態のnon-native helix構造に関する研究を行った。これまでの研究から、CMLのMG状態においてα-helixに特有な222nmの楕円率の絶対値がNative(N)状態よりも大きく、MG状態のhelix含量がN状態よりも多くなっていることが示されていた。しかしながら、どの部分がMG状態においてhelixを形成するのかは明らかにはされていなかった。本研究において、helical propensityを予測するプログラムであるAGADIRによって、N状態ではβ-sheetを形成している領域内にhelixを形成し易い領域が存在していることが見出され、その領域がMG状態においてhelixを形成している可能性が示唆された。そこで、その領域内の1残基をhelix-breakerであるプロリンに置換した変異体(Q58P)を作成することでnon-native helix構造の存在について検討を行った。その結果、変異体のMG状態における222nmの楕円率の絶対値が野生型よりも小さくなり、58番目周辺が天然状態ではβ-sheetを形成しているがMG状態においてはhelixを形成していることが示された。また、変性実験の結果より58番目周辺のhelix構造はMG状態の形成および安定性には寄与しないことが示され、58番目周辺のhelix構造は非協同的相互作用により形成されていることが示唆された。そこで、この部分に対応するペプチドモデルを作成し、この部分のMG状態のおける3次元分子構造に関する検討をNMR法を用いて行った。 研究成果については現在論文執筆中である。
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[Publications] Kumeta H et al.: "Low-Temperature-Induced Structural Changes in Human Lysozyme Elucidated by Three-Dimensional NMR Spectroscopy"Biochemistry. 42・5. 1209-1216 (2003)
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[Publications] Tada M et al.: "Stabilization of protein by replacement of a fluctuating loop : structural analysis of a chimera of bovine α-lactalbumin and equine lysozyme"Biochemistry. 41・46. 13807-13813 (2002)
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[Publications] Mizuguchi M et al.: "Effects of a helix substitution on the folding mechanism of bovine α-lactalbumin"PROTEINS : Structure, Function, and Genetics. 49・1. 95-103 (2002)