2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J11483
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大和屋 武 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多波長光源 / スペクトルスライス / 半導体光増幅器 / 増幅自然放出光 / 前置増幅器 / 利得飽和 / 雑音抑圧 |
Research Abstract |
これまでに,半導体光増幅器(SOA)の増幅自然放出(ASE)光を利用した光前置増幅器の提案を行っている.この前置増幅器を製作し,その評価を行った.900μm長SOAを使用した前置増幅器のファイバ間小信号利得は14.3dB(=267/10)であった.異なる波長の入力光に対する前置増幅器の小信号利得の変化を測定し,利得の3dB帯域幅を測定した結果,60nmとなった.次に小信号強度変調光を入力した際のASE強度変調の周波数応答を測定した.SOAバイアス電流200,300,400mAに対する3dB帯域幅はそれぞれ約6,12.5,17GHzとなった.次に前置増幅器による受信感度の改善について調べた.ワード長2^<31>-1の10Gbit/s擬似ランダム信号光に対して,前置増幅器を用いた時,用いない時でビットエラーレート(BER)を測定した.その結果,前置増幅器を用いることでBER10^<-9>における最低受信感度が2.6dB改善し-22.8dBmとなった.次にSOAのASE光を利用する前置増幅器使用時の最低受信感度の理論計算を行った.その結果,前置増幅器利得の向上により受信感度が下がることが明らかとなった.今後は利得飽和が起こりやすいSOAの構造探索を行い,更なる受信感度の低減が課題である. 利得飽和SOAを用いたスペクトルスライス光源の低雑音化を目的として,SOAによる雑音抑圧の定量的評価を行ない,高利得飽和・高注入電流により大きな雑音抑圧が得られることを示し,低周波域で15dBの雑音抑圧を実現した.また,長尺SOAを用いることで雑音抑圧の帯域が拡大することを示し,5GHzまで10dBの雑音抑圧が行なえることを示した.更に,利得飽和SOAにより0.6nmスペクトルスライス光の雑音抑圧を行なうことで,5Gbit/sでエラーフリー伝送が可能であることを示した.最後に,雑音抑圧と変調を同時に可能とする利得飽和SOA変調器を提案し,600Mbit/sで0.6nmスペクトルスライス光を変調し,エラーフリー伝送の可能性を示した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Yamatoya, F.Koyama: "High-Speed Operation of Optical Preamplifier Using Inverted Amplified Spontaneous Emission Signal of Saturated Semiconductor Optical Amplifier"Jpn. J. Appl. Phys.. Vol.41 No.6. L638-L640 (2002)
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[Publications] 大和屋武, 小山二三夫: "半導体光増幅器を用いたスペクトルスライス光の雑音抑圧"電子情報通信学会論文誌C. Vol.J85-C No.6. 417-423 (2002)