2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシーン構造を用いた発振波長の温度無依存化を可能とする新しい半導体レーザ
Project/Area Number |
01J11550
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
天野 建 東京工業大学, 精密工学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 波長可変 / マイクロマシン / 面発光レーザ / 温度無依存 / 熱応力 / 波長可変速度 |
Research Abstract |
MEMSを用いたデバイスは光との相性の良さから、オプトエレクトロニクスの分野で非常に広い範囲での応用が考えられている.MEMSを集積した波長可変フィルタは連続的な波長可変が可能・偏波無依存・アレー化が可能といった利点が挙げられる.本研究では熱応力を用いた新しい機能を持つ光フィルタ・半導体レーザを提案している.マイクロマシン面発光レーザ製作の問題点を示した.中間DBRの厚さを薄くすると、応力による膜の破壊や酸化レートの鈍化が確認された.中間DBRを厚くする事がデバイス製作上有効である事を明らかにした.実際に温度無依存面型LEDを製作し、波長の温度依存性を0.015nm/Kに抑える事ができた.これは通常のDFBレザの0.1nm/Kに比べて1/7以下の小さな値となっている.製作精度を上げて、レーザ発振が得られれば、温度無依存面発光レーザが実現できると考える.InPやInGaAsPなどの長波長帯材料を用いても波長の温度無依存化が可能であることを示した.GaAs系と同じく0.0001nm/K以下と小さな温度依存性の可能性を示した.本研究で提案する温度無依存化の手法が広範囲の材料系に適用できる事を示した.平行加熱機構型の波長可変速度を測定し、100μsと1ms以下の応答速度を得た.これは同構造の静電引力による波長可変で得られた速度と同等の値となっている.また、有限要素法による熱応答の解析を行った.解析から熱による波長可変動作では熱応答により速度が制限されている事が分かった、静電駆動型に比べて可変速度の劣化が見られない事から、熱による駆動によってダンピング緩和が可能であることを示している.さらに微小構造を製作することで、機械的な速度制限点に加え,熱応答の観点でも高速化が可能であることを示唆した.現在の構造を1/100に小さくすることで、1/10000の高速化と1/100の低消費電力化が可能であると見積もられた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.AMANO, T.Hino, F.Koyama, W.Janto, M.Arai: "Size Reduction of Tunable Micromachined Filter for Fast Wavelength Tuning"Japan J.Appl.Phys.. vol.43. 157-159 (2004)
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[Publications] T.AMANO, T.Hino, F.Koyama, M.Arai, A.Matsutani: "A Thermally Tunable GaAlAs/GaAs Micromachined Optical Filter with Sub-millisecond tuning speed"IEEE photon.Thecnol.Lett.. (in press).