2002 Fiscal Year Annual Research Report
気球高度及び上昇中の宇宙陽子線の精密観測を利用した太陽モジュレーションの研究
Project/Area Number |
01J11585
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Research Institution | Kobe University |
Research Fellow |
志風 義明 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太陽活動 / 太陽変調 / 2次生成陽子 / 宇宙陽子流束 / 大気深度依存性 / 太陽磁場の反転 / 反陽子 / 陽子比 / charge dependent model |
Research Abstract |
宇宙陽子線への太陽活動の影響を地上の中性子モニターデータとの相関を期待して考慮する際に10GeV付近の変動が注目される。私の解析では年度の違うデータを扱うために観測時のチェンバーガス状態の違いなどから運動量精度の不揃いが問題であった。これは大気ニュートリノ計算においてインプットとしての陽子への太陽活動の影響の見積もりをする方面からも期待されていた。 そこで20〜30GeV付近までを目標にチェンバーの再キャリブレーションを繰り返す中で、エアロジェルのチェレンコフ光を利用したチェック方法を確立し、特別なトリガーが用意されていなくて高エネルギー粒子の統計の少ない97年度でも目標を達成することができた。結果として、97,98,99,2000年度のデータの高エネルギー側で太陽活動の影響を調べられる一定以上の運動量精度が揃った形での宇宙陽子線の経年変化を示ことができるまでになった。 また、地磁気のカットオフの大きい場所でフライトを行ったBESS-2001のデータを用いればカットオフ以下に観測されるのは大気中での2次生成陽子である。このことを利用して更に2次陽子の見積もり計算の精度を向上させることができた。 今後学術論文誌に結果をまとめて投稿したり、宇宙線の国際会議にて発表する予定である。 更に、太陽活動の影響がより顕著な変化として見える更に低エネルギー側の領域まで観測するために物質量の少ない飛行時間測定器の開発も行ってきた。プラスティックシンチレータとクリアーファイバーからなるプロトタイプカウンターの試作を行い性能評価や改良を行ってきた。宇宙線を用いたテストにより必要とされる時間分解能を達成することを確認し、今後実機の製作と性能評価およびインストール治具の設計を行ってゆく予定である。
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Research Products
(1 results)