2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J60003
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西尾 祐美 筑波大学, 基礎医学系遺伝医学, 特別研究員(PD)
|
Keywords | アトピー / 気管支喘息 / アトピー性皮膚炎 / 花粉症 / 遺伝子 / 全ゲノム検索 |
Research Abstract |
1.アトピー性気管支喘息では、全ゲノム連鎖解析で最も強い連鎖のみられた5q31-q33領域について多型解析を行った。この領域にマップされている遺伝子のコード領域を中心に変異検索を行い、検出された変異のうち比較的頻度の高い-塩基置換多型(SNP)について伝達不平衡テスト(TDT)により解析したが、既知遺伝子のアミノ酸置換を伴う多型には特筆すべき有意な伝達はみられず、原因遺伝子の同定には至らなかった。 2.アトピー性皮膚炎では先にアトピー性気管支喘息での連鎖領域の解析を行っていたが、さらに残りの領域についても連鎖解析を行った。しかし、これまでにみられていた5q31-q33領域以上の連鎖・関連はみられず、また、これまでに報告のあったアトピー性皮膚炎の連鎖領域(1q21,3q21,3p24-22,20p)にも連鎖は認められなかった。5q31-q33領域におけるさらなる疾患感受性遺伝子を探すため、関連のみられたマーカー近傍の遺伝子について多型解析を行った。現在までに11遺伝子の解析を行ったが、アミノ酸置換を伴う多型にはTDT解析で有意な伝達はみられず、発症に関わる遺伝子は同定されなかった。 3.花粉症では、同様に全ゲノム連鎖解析で最も強い連鎖のみられた4q13領域について、デンスマッピングを行い、連鎖領域を狭めた。さらにTDT解析で関連のみられたマーカー近傍の遺伝子について、変異検索および多型解析を行った。既知の遺伝子については多型の有意な伝達はみられず、機能の不明な遺伝子については末梢血リンパ球や粘膜に発現しているかの確認が必要となるため、現在検討中である。
|