2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖抑制Tobファミリー蛋白質の発生工学を用いた機能解析
Project/Area Number |
01J60026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安島 理恵子 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遺伝子欠損マウス / 転写調節 / 細胞増殖 / 骨形成 |
Research Abstract |
Tob、Tob2、BTG1、PC3、ANAで構成される新規ファミリー遺伝子産物は細胞増殖抑制をもち、細胞周期制御に重要な役割を持っていることが示唆されている。また、tob遺伝子欠損マウスは、加齢に伴う癌形成や、大理石骨病様の病態を示す。 tob2遺伝子欠損による骨代謝への影響を調べる為、これまでに作製したtob/tob2 KOマウスを用い骨量解析を行った。その結果、tob遺伝子欠損マウスとは逆にtob/tob2 KOマウスでは、tob KOマウスとは反対に骨量が減少していた。また、tob2 KOマウスの骨髄を用いた分化誘導実験で、破骨細胞への分化の亢進が示された。今後、破骨細胞分化機構へのTob2の関わりについて解析を進めていく予定である。 近年の解析により、Tobの増殖抑制活性の制御にはErk1/2によるTobのリン酸化が非常に重要な役割を果たしていることがわかってきた。このTobのErk1/2によるリン酸化部位は、Tob2において保存されている。そこで、血清もしくはPDGF刺激後のNIH3T3細胞の可溶化液を用い、Tob2のリン酸化についてウエスタンブロットにより解析したところ、刺激依存的にTob2のリン酸化による泳動度の変化が確認された。またこの泳動度の変化は細胞のMEKインヒビター(PD98059)処理により減弱することから、Tob2もTobと同様にErk1/2にリン酸化される可能性が示唆された。 更に、Tob2がTobと同様にcyclin D1遺伝子の転写の抑制活性を持つか、cyclin D1遺伝子プロモーターのレポーターを用いて解析した。その結果、Tob2は発現量依存的にcyclin D1遺伝子プロモーターの転写活性を抑制することがわかった。
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