2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規セリン・スレオニンキナーゼLATS2による細胞増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
01J60030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 芳憲 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セリン・スレオニンキナーゼ / M期 / 中心体 / LIMタンパク質 |
Research Abstract |
前年度までにLATS2キナーゼをベイトとした、Yeast Two-HybridスクリーニングによるLATS2キナーゼ結合蛋白質の探索を行い、LIM蛋白質Ajubaを同定した。そしてLATS2キナーゼとAjubaはM期で結合が亢進すること、LATS2キナーゼ、Ajubaともに中心体にも局在することなどの知見を得た。 本年度はLATS2キナーゼおよびAjubaのM期における生理的役割を明らかにする目的で、HeLa細胞を用いたRNAiを行った。LATS2キナーゼおよびAjubaの発現抑制によるM期への影響を観察するために次の操作を行った。チミジンによる最初のS期同調完了後にsiRNAをトランスフェクションした。その後ヒドロキシウレアによる2回目のS期同調を行った。この操作により、S期同調後に訪れる最初のM期で、LATS2キナーゼないしAjubaの発現が抑制される細胞を得ることができる。その時のM期の細胞をγ-チューブリンおよびα-チューブリンに対する特異抗体を用いた免疫染色により観察した。その結果LATS2キナーゼ、Ajubaの発現抑制は、共に紡錘体形成異常が原因と思われる細胞分裂の異常を引き起こした。この結果とLATS2キナーゼおよびAjubaが中心体およびmidbodyに局在するという結果から、LATS2キナーゼとAjubaはM期において会合し、M期進行における中心体の機能や紡錘体形成や染色体分配に重要な役割を果たすことが考えられた。
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