2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J60032
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
芳賀 恒基 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 枯草菌 / 胞子形成 / 遺伝子 / 発現制御 |
Research Abstract |
日本の枯草菌共同研究グループが保有する網羅的遺伝子破壊株コレクションからのスクリーニングにより、胞子形成に関与することが見いだされた遺伝子の一つydiHについて、胞子形成のどの段階に異変が起きているかを顕微鏡で調べたところ、胞子形成を開始していない、いわゆるstage 0の表現型である事が分かった。胞子形成の開始には転写因子Spo0Aが重要な働きをしている事から、この転写因子の活性をlacZレポーターアッセイによって調べたところ、ydiH変異によって大きく活性が低下している事が分かった。さらに、胞子形成のシグナルと無関係にリン酸化し、活性化するSpo0A変異であるsof-1を導入したところ、胞子形成能が復帰した。このことから、ydiHは転写因子Spo0Aのリン酸化による活性化のある段階に関与していると思われた。 一方、YdiHのホモログが、Streptmyces coelicolorでNADH/NAD^+の還元度を感知して遺伝子発現を調節するrepressorであるという最近の報告をうけ、YdiHもこれと同じ機能を持つと推定し、YdiHタンパク質が染色体に局在するかを調べるためにydiH-gfp融合遺伝子を構築して顕微鏡観察したところ、融合タンパク質は、染色体の位置に強く局在していた。 また、YdiHが制御する遺伝子を同定するために、前年度に引き続き、いくつかの異なる条件でDNAマイクロアレイ解析を行ったところ、十数個の遺伝子がYdiHによって負に制御される事が強く示唆された。現在、これらの遺伝子の制御をlacZレポーターアッセイによって確認中である。
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Research Products
(1 results)