2002 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域ネットワークに対応した膜タンパク質データベースの開発
Project/Area Number |
01J60034
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
五味 雅裕 東京農工大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シグナルペプチド / 膜タンパク質 / データベース / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
本年度の研究では前年度までの研究結果を踏まえ、任意のアミノ酸配列からシグナルペプチド判別のためのソフトウェアシステムSOSUIsignalの開発を行った。ソフトウェアにおいては、これまでのシグナルペプチド判別部分において煩雑であった部分を整理し、プログラムのモジュール化を推し進めた。またシグナルペプチドとその周辺のアミノ酸配列における、アミノ酸側鎖の物理化学的性質に着目した主成分解析により、シグナルペプチドを特徴付ける主成分をシグナルペプチドの疎水性領域の平均疎水性の強度と領域長、アミノ酸配列N末端からの距離、シグナルペプチドのC末端側領域のアミノ酸残基の出現傾向から導出した。前記をパラメータとした判別分析によって、任意のアミノ酸配列からシグナルペプチド判別を行うアルゴリズムを改良し、判別の精度94%と高精度かつ高感度で行うことを可能とした。この結果は既存の機械学習的アルゴリズムを用いたパターン認識的なシグナルペプチド判別手法の精度に匹敵する。我々はさらに膜タンパク質判別システムSOSUIとSOSUIsignalを統合したシステムを開発し、膜タンパク質と水溶性タンパク質の判別において、大きな問題点であったシグナルペプチド部分を膜貫通領域と誤判別しやすい欠点を解決した。SOSUI-SOSUIsignalはシグナルペプチドを高精度で判別することにより、膜タンパク質、水溶性タンパク質の判別を従来よりも高精度で行うことが可能であり、また膜タンパク質においては、より正確な膜貫通領域本数予測を可能としたことにより膜タンパク質の機能や構造の予測に貢献すると考えられる。水溶性タンパク質においては分泌性水溶性タンパク質を予測可能になったことから、薬学等の産業上の需要も期待できると考えられる。現在、開発したソフトウェアとこれによって構築される膜タンパク質データベースを公開に向けて準備中である。
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