2003 Fiscal Year Annual Research Report
Chondromodulin-Iによる胚の血管系パターンの形成の制御
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01J60052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西崎 有利子 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 血管新生抑制因子 / 軟骨 / コンドロモジュリン-I / メダカ / 耳胞 / 脊索 |
Research Abstract |
Chondromodulin-I (ChM-I)は、血管内皮細胞の増殖を阻害する活性を指標にしてウシ胎仔軟骨から精製された分子量約25KDの分泌性の糖タンパク因子である。哺乳類では、ChM-Iは関節軟骨及び軟骨性骨原基の静止層、増殖層、前肥大化層にかけて軟骨特異的に発現し、脱灰骨基質により異所的に誘導される軟骨への血管侵入を抑制する。本研究では、ChM-Iの役割を明らかにする目的で、メダカ(Olyzias latipes) ChM-I cDNAのクローニングと定量的PCR及びin situ hybridizationによるmRNAの発現解析を行った。 孵化後7日目のメダカから抽出したRNAを用いて、RACE法によりメダカChM-I cDNAのクローニングを行った。メダカChM-Iは316アミノ酸残基からなる前駆体をコードし、furin認識配列であるRKRRで切断されC末端103アミノ酸残基が成熟蛋白として分泌されると推測された。成熟ChM-IのC末端の血管新生抑制ドメインに存在する8つのシステイン残基の位置は哺乳類から魚類まで完全に一致しており、マウスChM-Iのアミノ酸配列と比較すると68%の相同性を示した。 メダカChM-Iは後期胞胚期以降から発現し、孵化直前まで発現量は上昇し、孵化後に減少した。メダカChM-Iの発現は、頭蓋軟骨原基のみならず、脊索、後脳、耳胞に検出された。脊索においては4体節期から発現が検出され、17体節期まで増強が続いた後、体節の血流が開始する頃に発現が減少した。後脳における発現は体節形成の直前に帯状に検出された。4体節基には、耳胞原基が形成される後脳の左右両側でのみ発現し、その後、発現が増強して耳胞に限局した。血管への蛍光色素の注入によって、耳胞は血管が乏しく、血管の走行も限定されている組織であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Keigo Setoguchi, Yoshikata Misaki, Kimito Kawahata, Kota Shimada, Takuo Juji, Sakae Tanaka, Hiromi Oda, Chisa Shukunami, Yuriko Nishizaki, Yuji Hiraki, Kazuhiko Yamamoto: "Suppression of T Cell responses by chondromodulin I, a Cartilage-Derived Angiogenesis Inhibitory Factor"ARTHRITIS & RHEUMATISM. Vol.50 No.33. 828-839 (2004)