2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J60061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
船津 宣雄 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大脳皮質領野 / 第一次体性感覚野 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
ほ乳類の大脳皮質領野は、内生的な遺伝子プログラムによる領域化と視床など皮質外からの入力には依存し形成されると考えられているが、その分子機構は解明されていない。本研究では大脳皮質領野形成の機構を解明することを目的に、まず胎生16.5日マウス大脳皮質を5分割しDNAマイクロアレイ法、定量的RT-PCR法、In situ hybridization法を用いて胎生期マウスの大脳皮質に領域性を持って発現する遺伝子の同定を試みた。昨年度はアフィーメトリックス社製ジーンチップmouseU74Av2(12,473遺伝子)を用いた解析から5分割された各領域に多い遺伝子として、(1)内側34、(2)外側35、(3)腹側15、(4)前部13、(5)尾部6遺伝子をそれぞれ抽出した。そして本年度はさらに定量的RT-PCR法、In situ hybridization法を組み合わせて(1)内側4、(2)外側6、(3)腹側3遺伝子を絞ることができた。これらの遺伝子の発現は背腹方向に海馬から大脳新皮質の頭頂までの内側、体性感覚野を含む新皮質の外側、そして嗅皮質の腹側という明瞭な領域性を示した。一方、前後方向には明確な境界を示す遺伝子は得られなかった。これらの遺伝子の機能は転写因子、細胞接着因子、分泌性因子、細胞内情報伝達因子、細胞膜受容体、機能未知分子など多岐に渡っている。現在、in vivoの解析系でこれら遺伝子の機能を調べている。
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