2002 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌における低分子量GTP結合蛋白質ファミリーの機能解析
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01J60073
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
森本 拓也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 低分子量GTP結合蛋白質 / 枯草菌 / 染色体複製 |
Research Abstract |
1.枯草菌の細胞増殖に必須な6つの低分子量GTP結合蛋白質ファミリーについて、酵母2ハイブリッド法により得られた相互作用する因子との結合をin vitroで確認を行った。また、その中でBex蛋白質と相互作用する因子の1つが、Bex蛋白質の持つGTPase活性を正に調節する因子として働くことを見い出した。バクテリアの低分子量GTP結合蛋白質のGTPase活性を制御する因子の報告はこれまでに皆無であり、この発見はバクテリアのGTP結合蛋白質の研究に新たな概念を提起するものと考えられる。 2.免疫沈降法により精製し、LCタンデムマススペクトルメトリーにより決定された複合体構成因子を酵母2ハイブリッド法により確認を行った。その結果、いくつかの因子との相互作用が確認された。この中には生育に必須である蛋白質も存在し、枯草菌低分子量GTP結合蛋白質ファミリーの必須性を説明する鍵となると思われる。 3.in vitroの解析から、Bex変異の1つがGTP結合型変異であることを明らかにした。このことから、変異を導入した変異株は染色体複製開始に影響が見られることと、Bex蛋白質の減少により同じ影響が見られることからGDP結合型Bex蛋白質が染色体複製開始の制御を行うことを明らかにした。また、上記の酵母2ハイブリッドにより得られた因子の変異株における表現型とGTP結合型Bex変異株の表現型は一致した。この因子はこれまでに枯草菌の胞子形成、DNA取り込みに必要であることは報告されており、GTP結合型Bex蛋白質がこの因子と結合することにより機能を抑制することが示唆された。
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Research Products
(1 results)