2002 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの老化制御遺伝子の網羅的探索と解析
Project/Area Number |
01J60083
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
外川 徹 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 老化 / 酸化ストレス / Gene Search System / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
酸化ストレスは老化の主要な原因の一つと考えられている。本研究は老化の遺伝的基盤を包括的に理解するために、ショウジョウバエを用いて酸化ストレス耐性に関わる遺伝子を網羅的に探索し、そのうち主要なものについては機能解析を行うことを目的としている。 昨年度は、酸化ストレス耐性を効率良く測定するために、高酸化ストレス下でのショウジョウバエの生存期間を自動的に測定する系を確立した。この測定系と当研究室で確立したGene Search (GS)システムを用いて酸化ストレス関連遺伝子の全ゲノム的なスクリーニングを始めた。GSシステムでは、酵母転写因子GAL4の標的配列UASを含むGSベクターがゲノムにランダムに挿入された系統を、GAL4系統と交配させることにより、F1世代でベクター挿入部位の遺伝子を時期特異的に強制発現させ、その遺伝子機能を解析することができる。本研究では成虫期特異的な遺伝子強制発現を誘導するために、GS系統とhsp70 promoter-GAL4を持つ系統とを交配し、そのF1世代成虫を30℃で飼育することで成虫特異的にベクター挿入部位の遺伝子を強制発現させた。現在までに、約2500系統の解析が終了している。酸化ストレス耐性を示した系統は、2次スクリーニングとして同様の解析をさらに2回行い、計3回の結果をもとに分散分析を行い、対照群との統計学的な有意差を調べた。その結果、17系統が統計学的有意に酸化ストレス耐性を示すことが朋らかになった。その中の1系統GS3056ではGSベクターがゲノム上の遺伝子の存在が予想されていない領域に挿入されていた。この系統での強制転写産物をクローニングしたところ、GS3056ではタンパク質をコードしていないRNAが強制転写されていることが朋らかになった。現在、GS3056を含め、酸化ストレス耐性を示した系統の寿命を測定している。 次年度は、さらにスクリーニングを進めつつ、候補遺伝子の解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Taro Keneuchi, Toru Togawa, Takashi Matsuo, Yoshiaki Fuyama, Toshiro Aigaki: "Efficient measurement of H_2O_2 resistance in Drosophila using an activity monitor"Biogerontology. (in press). (2003)