2002 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子の発現調節プロモーター領域のSNPsの探索
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01J60087
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / p16 / p14 / プロモーター / SNPs / 分子標的化学予防 / アポトーシス / PUMA |
Research Abstract |
結果的に発癌リスクを高める可能性をもつSNPsを持っている個人に対し、テーラーメイドの分子標的化学予防を可能にすることを目標として、本研究では癌抑制遺伝子プロモーター中のSNPに着目した。今年度は特にその意義について重点的な評価を行った。p16遺伝子上流領域においては4箇所中3箇所のSNPsがプロモーター活性を持つ-798〜-3017領域中に見出され、内2つのSNPsにおいてvariantの場合プロモーター活性が約半分に減弱する事がわかり、これらのSNPsが発癌リスクを高めている可能性が考えられた。現在これを確認するための疫学的な検索を開始すると共に、リスク軽減に有用な食品因子についても探索し、柑橘類に含まれるノビレチンが優れた回復効果をもつことを既に見出している。p14遺伝子上流領域ではプロモーター活性を正に調節する-2465〜-4690領域中に1つ、負に調節する-331〜-2465領域中に2つのSNPsを見出し、これらのSNPsのp14遺伝子発現に及ぼす影響を検討している。なおこれまで行ってきたTGFbetaR2 (codon 315)、APC (codon 1307)、ATM (codon 2990)、OGG1 (codon 326)、E-cadherin (C/A SNP at-160)各遺伝子のSNPsについて、大腸癌リスク評価の指標としての有効性を検討する疫学的研究については、症例数を増やして継続していく。並行して癌抑制遺伝子p53の下流でアポトーシスに働くPUMA遺伝子について癌予防・治療に重要と考え遺伝子発現解析を行っているが、プロモーター活性をもつ領域を新たに見出した。この領域中にはp53の結合配列が存在せず、PUMA遺伝子のp53非依存的な調節経路が存在する可能性もあり、p53が失活した多くの癌に対する標的としての可能性を考えながら、現在解析中である。
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Research Products
(1 results)