2002 Fiscal Year Annual Research Report
プログラム化されたフィードバック刺激応答による培養神経回路網の構築・再構成
Project/Area Number |
01J83203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沼 清 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経 / ネットワークの構築 / 小規模ネットワークの動態 / 細胞分化 / 細胞の選別 / Fluorescence-Activated Cell Sorter / 細胞運動の制御 / 外部多電極培養皿 |
Research Abstract |
1 少数細胞ネットワークの再現性の良い構築 実験を再現性良く行うためには、こちらが設定した状態の神経回路網を再現性良く作れることが最も重要である。Fluorescence-Activated Cell Sorter (FACS, Beckman Coulter)を用い、特定の性質の細胞を選別し、単一の細胞から培養してネットワークの構築する実験を行った。FACSの4つのパラメータ…前方散乱の積算値(FSint)とピーク値(FSpeak)、側方散乱の積算値(SSpeak)とピーク値(SSint)…を元に神経系の株化細胞であるPC12を幾つかの領域に分け、96ウェルのプレートの各ウェルに1細胞まいて培養し、分裂能と分化能を測定した。その結果、FSint/FSpeakとSSint/SSpeakとが小さい領域では、凝集していない単一の細胞が多く回収できた。更に、この領域の中で、FSintが中位でSSintが小さい領域の細胞は、良く分裂し分化能も高く、ネットワーク構築には適した細胞領域であることを発見した。 2 刺激応答実験のための細胞運動の制御技術 止まって見える神経細胞も、実はゆっくりと動いており、一晩に数十マイクロメートルも移動する場合もある。従って、こちらが設定した形のネットワークを形成するためには、細胞運動を制御する必要がある。シリコーンゴムの一種のpolydimethylsiloxaneは、細胞が接着しにくく細胞毒性が小さい。これを培養皿にスタンプし、細胞の動きを制御する技術を立ち上げた。大きさ約300マイクロメートルの円形の領域に単一の細胞を閉じ込め、細胞が運動しながら分化して突起を伸ばし、更に分裂する様子を微速度撮影にて捉えることに成功した。また、外部多電極培養皿にも適用し、特定の電極の周りだけで細胞を培養することにも成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大沼 清: "シリコンゴムで培養皿への細胞接着を制御"日本生物物理学会誌. 42. S45 (2002)
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[Publications] K.Ohnuma, T.Yomo: "Growth and neurite generation of single isolated PC12"Neuroscience Research. S27. (2003)