2002 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエルDNAポリメラーゼδの構造と機能解析
Project/Area Number |
01J83902
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
四方 孔 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | DNAポリメラーゼ / 染色体複製 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
本研究は、無細胞系でかつ、細胞内の因子のみでDNA複製反応を開始から終結まで試験管内で行うことのできるアフリカツメガエルを用いて、染色体DNA複製に関与するDNAポリメラーゼδおよびεの構造と機能解析を目的とした。まず、他の系でもその役割が未だはっきりしないDNAポリメラーゼε(Polε)の機能解析を行うことにした。ヒトPolεは触媒サブユニットであるp260および、p60、p17およびp12の4つのサブユニットからなり、各cDNAのクローニングがすでに報告されている。私は、アフリカツメガエルにおけるヒトPolεのp260、p60、p17およびp12サブユニットホモログcDNAを得た。これらサブユニットに対するポリクローナル抗体を作製し、アフリカツメガエル卵抽出液に対してウエスタンブロットを行ったところ、それぞれ反応するタンパクを検出できた。また、Polεp60抗体を用いて卵抽出液より免疫沈降したところ、p260、p17およびp12が共沈降したことより取得した各サブユニットはアフリカツメガエルPolεの構成因子であると考えられる。また、昆虫細胞においてこれら4つのPolεサブユニットcDNAを用いた発現系を構築し分画したところ、p260、p60、p17およびp12が同じフラクションに共溶出したことより、昆虫細胞内でもこれらのサブユニットが複合体を形成していることが示唆された。次に各サブユニット間の相互作用を解析したところ、p260はp60およびp12/p17とそれぞれ独立して結合できることがわかった。最後に、Polεを免疫除去した卵抽出液中で見られる複製異常を、昆虫細胞で発現した組換え型Polε複合体で回復させることができた。このことより組換え型Polεが機能的に再構成できたと考えられる。現在、変異型組換えPolεを用いて、染色体DNA複製に力けるPolεの機能について解析している。
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