1991 Fiscal Year Annual Research Report
多価不飽和脂肪酸による動脈硬化抑制機序の研究ーヒトとサルの比較ー
Project/Area Number |
02045040
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
五島 雄一郎 東海大学, 医学部, 教授 (70050953)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SORCIーTHOMAS ウェイク, フォレスト大学・ボーマン・グレイ医学部, 助手
PARKS John ウェイク, フォレスト大学・ボーマン・グレイ医学部, 助教授
RUDEL Lawren ウェイク, フォレスト大学・ボーマン・グレイ医学部, 教授
三神 美和 東海大学, 医学部, 助手 (80199968)
椎名 豊 東海大学, 医学部, 助手 (40206040)
玉地 寛光 東海大学, 医学部, 助教授 (50002217)
本間 康彦 東海大学, 医学部, 助教授 (90101427)
中谷 矩章 東海大学, 医学部, 助教授 (01122697)
|
Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / 冠動脈硬化 / 脂質代謝 / アフリカミドリザル / リポ蛋白化学組成 / PTCA / 脂質転送蛋白 / Lp(a) |
Research Abstract |
初年度の研究から、African Green Monkeyでの動物実験では、投与する脂肪酸(Fish oilなど)の違いによって血清リポ蛋白の濃度、粒子サイズ、化学組成に大きな違いが認められ、これらの違いが動脈硬化の進展と密接に関連していることが推測されていたが、屠殺剖見による冠動脈と大動脈の動脈硬化性変化の検討によりこのことが確認された。その成立機序は明らかではないが、リポ蛋白の質的変化がその分泌速度、代謝速度あるいは動脈組織との結合親和性に影響を与えていることなどが報告された。 臨床研究では虚血性心疾患者に脂肪酸の一種のEPAを投与して血清リポ蛋白の濃度、粒子サイズ、化学組成、脂質転送蛋白(LTP)およびLp(a)への影響を検討し、また、PTCA(Percutaneous transluminal coronory angioplasty)実施例についてはEPA投与群と非投与群間の再狭窄の頻度への影響を検討した。現時点では症例数がまだ少なく確定的なことは言えないが、血清リポ蛋白は個人差はあるがサルでの報告とはほぼ同様の変化が認められた。PTCA後の再狭窄はEPA投与群でやや軽度であった。また、LTPおよびLp(a)への影響は認められなかった。これらの臨床デ-タはいくつかの研究会で報告した。 平成4年2月2日から2月5日には本研究代表者の五島雄一郎教授、研究分担者の椎名豊助手の2名が渡米し、ウェイク・フォレスト大学ボ-マン・グレイ医学部にて研究成果の相互発表と次年度研究計画の打合せ、講演を行った。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] John Parks: "多価不飽和脂肪酸と動脈硬化治療 分担執筆 ヒトにおける多価不飽和脂肪酸のリポ蛋白および心疾患に及ぼす影響" 編者:五島雄一郎 メディカルトリビュ-ン, 35-48 (1991)
-
[Publications] Lawrence Rudel: "多価不飽和脂肪酸と動脈硬化治療 分担執筆 食餌脂肪の血漿リポ蛋白および粥状動脈硬化に及ぼす影響" 編者:五島 一郎 メディカルトリビュ-ン, 49-59 (1991)