1990 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞系腫瘍発生におけるbclー2、bclー1遺伝子及び遺伝子産物の役割
Project/Area Number |
02152141
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
瀬戸 加大 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 主任研究員 (80154665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 利忠 愛知県がんセンター研究所, 副所長 (00124529)
上田 龍三 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 部長 (20142169)
長田 啓隆 愛知県がんセンター研究所, 免疫学部, 研究員 (30204176)
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Keywords | リンパ腫 / 染色体転座 / 白血病 / bclー2 / bclー1 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである。 1.B細胞リンパ腫についてbclー2遺伝子の再構成を検索し、濾胞性リンパ腫の31%(10/32),び漫性リンパ腫の9%(5/56)に再構成を認め、米国症例に比較し有意に再構成率が低く、本邦に於て濾胞性リンパ腫発症頻度少ない一因である事を示唆した。 2.bclー2遺伝子再構成機序を検索した所、本邦症例では米国症例に比し、B細胞分化段階の進んだ時期に起こしている可能性が示唆され、bclー2遺伝子再構成頻度が少ない一因である事を示唆した。 3.bclー1再構成は濾胞性リンパ腫には全く認められず、bclー2遺伝子の方が濾胞性リンパ腫発症に、より重要である事が明らかになった。 4.BーCLL30症例についてbclー1,bclー2遺伝子再構成を検索した所、bclー1再構成は全く認められなかったが、2例(7%)にbclー2再構成を認め、いずれも5'プロモ-タ-領域での再構成であった。BーCLLも人種間差異の著明な腫瘍であるが、bclー1、bclー2遺伝子はその差異を説明しうるものではないことを示唆した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Seto,M.: "bclー2 translocation in Japanese B cell lymphoma:Novel bclー2 translocation with immunoglobulin heavy chain diveis:ty segment." Japanese Journal of Cancer Research. 82. 65-71 (1991)
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[Publications] Osada,H.: "Genuine CD7 expression in acute leukemia and lymphoblastic lymphoma" Leukemia Research. 14. 869-877 (1990)
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[Publications] Akao,Y.: "Molecular cloning of the chromosomal breakpoint of a B cell lymphoma with the t(11;14)(g23;g32)transloeation." Cancer Research. (1991)
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[Publications] Yoshikawa,K: "Molecular cloning of the gene coding for the human T lymphocyte differentiation antigen CD7." Immunogenetics. (1991)
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[Publications] 瀬戸 加大: "リンパ腫におけるbclー2遺伝子の役割" 臨床血液. (1991)
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[Publications] 瀬戸 加大: "リンパ系腫瘍におけるbclー2遺伝子" 癌と化学療法. (1991)