1990 Fiscal Year Annual Research Report
広域都市圏における固形廃棄物の発生・循環構造の解明とその管理計画論
Project/Area Number |
02202101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 信寿 北海道大学, 工学部, 教授 (90133701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英樹 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (70210713)
松藤 敏彦 北海道大学, 工学部, 講師 (00165838)
神山 桂一 北海道大学, 工学部, 教授 (90001148)
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Keywords | ごみの発生構造 / ごみの流れ / ごみ発生量制御 / 家庭ごみ / リサイクル |
Research Abstract |
1.ごみ発生量の変動とその要因の解析 (1)札幌市の経年デ-タを検討すると、可燃ごみは収集の無料化により、また不燃・粗大ごみは収集頻度の増加により、ごみ量が増加している。しかしこれは、市の収集に出す割合の増加、あるいは分別の徹底のための排出先の変更にすぎず、発生量自体の増加とみるべきではない。 (2)計量器を使用している北海道内自治体のごみ量デ-タを収集し、ごみの内容(自治体によりごみの名称、集計方法が異なる)に統一がとれるよう配慮して解析した。その結果、人口15万以上の都市では札幌と同様、昭和61年頃から急激に増加しており、しかも原単位(住民一人あたりごみ量)に差がなかった。しかし、その他の自治体では原単位が異なるところも多く、事業系ごみの家庭系ごみへの混入、収集人口の推計誤差、家庭における自家処理率の違いなど、それぞれ固有の事情によると思われ、さらに詳しい調査が必要である。 2.ごみ量増大の要因解析 最近のごみ量増大は、「OA紙の増加」「古紙価格の低下による回収率の低下」が原因と言われている。そこで紙について調査したところ、紙の生産量増大に占めるOA紙の割合は小さく、広告・チラシを含む印刷関係で用いられる非塗工紙、塗工紙の急激な伸びが目立つ。古紙の回収量は生産量とともに増加しており、昭和60年以降の古紙価格低下の影響は見られない。むしろ、回収ル-トの確立されていない紙の生産増大が、ごみ発生の大きな要因と思われる。ごみ増加量の約半分が、紙の廃棄量増大で説明できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松藤 敏彦,田中 信寿,松尾 孝之,小針 昌則,神山 桂一: "ビデオ撮影による不燃・粗大ごみの質・量の計測と往居形態別ごみ発生特性" 廃棄物学会論文誌. 第2巻第1号. 1-10 (1991)
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[Publications] Toshihiko Matsuto,Robert K.Ham: "Residential Solid Waste Generation and Recycling in the U.S.A.and Japan" Waste Management & Research. Vol.8No.3. 229-242 (1990)