1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02202130
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 博司 徳島大学, 医学部, 教授 (50088514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 益弘 横浜国立大学部, 工学部, 教授 (10018046)
谷本 能文 広島大学, 理学部, 助教授 (10110743)
山岸 昭雄 大阪大学, 極限物質研究センター, 助教授 (10006273)
小林 哲生 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (40175336)
上野 照剛 九州大学, 工学部, 教授 (00037988)
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Keywords | イオン流 / 電磁場 / 磁気刺激 / 大脳 / 細胞増殖 / 膜輸送 / 磁場配向 / ビラジカル |
Research Abstract |
電磁場の生体影響に関し、本研究班は実験または設定条件を厳密にきめることにより、結果の再現性を高めるよう努めた。以下に主な成果を列記する。先ず分子レベルの研究として、光励起で生成する生体関連の三重項メチレン鎖両端ビラジカルの寿命が0.56Tで増加することをみつけ、メチレン鎖長、溶媒の性質、温度が磁場効果に及ぼす影響を検討した。その結果、ラジカル間が10A^^°以上のとき、効果が強まることを知った(谷本)。また生体成分のうち、浮遊状態にある血液有形成分には、磁場配向の効果が生じることをみつけた。光透過率から磁場配向度を算定し、赤血球と血小板の反磁性磁化率の異方性を求め、後者のそれが非常に大きいことから脂質膜以外に細胞骨格蛋白の寄与を認めた(東・山岸)。細胞レベの研究では、HeLa細胞の細胞膜Rb(Kの代替イオン)輸送が2T以下の直流強磁場で影響をうけないが、磁場の強さを1.8と0.3Tの間で周期的に変化させると、時間々隔5秒のとき、輸送が阻害されること、また正弦波ELF磁場(63Hz、3mT)がマウス骨芽細胞のアルカリフォスファタ-ゼ活性に影響することをみつけた(宮本)。個体レベルでは、アフリカツメガエルの卵発生が6.3T超強磁場で影響されないことを認めた。また特殊コイルに1T磁場を0.1m秒発生し、渦電流でヒト大脳皮質運動領を5mm以下の分解能で安全に刺激する方法を開発し、効果を筋電図で確認した(上野)。神経や心筋の非手術的な磁場刺激法を開発するため、磁場発生装置を設計し、シミュレ-ションで誘導電流の閾値を推定した(山口)。強電場の人体影響に関し、3次元モデルによる理論的解析を行ない、相対湿度が重要な影響要因であることをつきとめた。さらにイオン流の人体影響とその生体曝露量の数値解析法を考案して、実地応用を試みた(小林)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 山口 久雄: "電磁場の人体への影響" 科学. 60. 599-602 (1990)
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[Publications] S.Ueno: "Localized stimulation of the human brain and spinal cord by a pair of opposing pulsed magnetic fields" Journal of Applied Physics. 67. 5838-5840 (1990)
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[Publications] S.Ueno: "Embryonic development of <Xenopus>___ー <laevis>___ー under static magnetic fields up to 6.34T" Journal of Applied Physics. 67. 5841-5843 (1990)
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[Publications] A.Yamagishi: "Magnetic field effect on the polymerization of fibrin fibers" Physica B. 164. 222-228 (1990)
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[Publications] Y.Tanimoto: "Magnetic field effects on the intramolecular photoreaction of nーalkyl anthraquinoneー2ーcarboxylate" Bull.Chem.Soc.Jpn.63. 2164-2168 (1990)
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[Publications] Toshitaka Ikehara: "Kinetic mechanism of ATP action in Na^+ーK^+ーCl^ー cotransport of HeLa cells determined by Rb^+ influx studies" American Journal of Physiology. 258. C599-C609 (1990)
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[Publications] 宮本 博司: "電磁場の生体影響 細胞に対する影響,いろいろな動物実験" てらぺいあ(東京), 300 (1991)