1990 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化炭素化合物分子の励起及び解離性イオン化の実験的研究
Project/Area Number |
02214211
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西村 浩之 新潟大学, 理学部, 教授 (30018254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 文男 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (00016859)
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Keywords | 電離 / 電子衝突 / フッ化炭素化合物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エッチングプラズマの性質解明のために、フッ化炭素化合物、とりわけCF_4とC_2F_6の既存のデ-タを検討し、信頼しうるデ-タを提供することである。これら分子の電離は解離を伴うので、解離性電離の研究を全電離の側定から始める。これら分子の実験的研究は、Beran(20,35,70ev)やStephan等(しきい値から180eV)が部分的に行なっている。しかし彼らの方法は、相対測定値を別の方法で決まる絶対値に規格化するものである。我々は、このような手続きを要しない絶対測定を、より広い電子エネルギ-範囲にわたって行う。 本研究で用いた装置はRappと同じ方式である。但し、我々は衝突室の標的分子数密度を直接測定した。入射電子エネルギ-は、しきい値から500eVまで。入射電流は1nA以下。衝突室でのガス圧力は50μTorr以下にした。 順序として、先ずArの全電離断面積を測定した。この結果をBeranが使った基準値(Asundi)や、Stephanが使った基準値(Rapp)と比較したところ、Asundiの値は我々のものより20〜30%大きい。一方Rappの値は我々のものとよく合う。次にCF_4の全電離所面積を測定した。Beranの値は我々の結果と合うが、彼らが基準にしているArで合わないので、この一致は偶然である。他方、Stephan等の値は70eV以上で、我々の結果よりも30%以上も低い。C_2F_6の報告者は、今まではBeranのみで、それは我々の結果と一見、合っているが、これもCF_4の場合同様、偶然の一致であろう。既存の値と本研究結果との差は、方法の違いによる。我々は絶対測定によって、信頼度の高い結果を得、主目的の一つを達成した。今後、この結果を基準にして、これら分子の各衝突過程を研究する。 本研究で購入した備品:電離真空計(GIーTL3RY)は真空槽の真空度監視に、パ-ソンルコンピュ-タ(PC9801RX)とXYプロッタ(MP4400)はデ-タ取り込みとその処理に、直流電源PDM35・3はイオン捕集のために用いた。
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Research Products
(1 results)