1990 Fiscal Year Annual Research Report
文化装置としての寒地適応戦略:北ユ-ラシアと北アメリカ
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02225210
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
斎藤 晨二 名古屋市立大学, 教養部, 教授 (70094373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 凱宣 名古屋大学, 教養部, 教授 (40111091)
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Keywords | 文献目録 / カ-ド化 / デ-タベ-ス / 生業戦略 / トナカイ / 民族誌 / 考古学 |
Research Abstract |
主として欧米(一部ソ連)において,これまでに公刊されたシベリアおよびアラスカに関する文献目録を計43点収集した。これらを閲覧した上で民族誌に関連すると考えられるものをコピ-資料として作製し,さらに,それらのデ-タベ-ス入力の準備作業として,各論文ごとにカ-ド化することにし,約8000枚を作製ずみである。ただし,これらのカ-ドについては,重複,欠落している論文がある可能性があり,厳密な論文カ-ドの枚数を確定するには到っていない。 文献カ-ドの作製と並行させて,シベリアおよびアラスカに関する民族誌から明らかにし得る寒地適応の生業戦略を抽出し,比較検討した。その結果、現段階で推定できることは以下の通りである。 すなわち,衣食住にわたって,基本的に重要な資源獲得としてトナカイのもつ意味がもっとも大きいということである。このことについては考古学上の研究成果との対比が必要であり,部分的ながら,遺跡等の発堀例を参照してみると,かなり整合性のあることがわかった。 1.衣について.遺跡におけるトナカイの角,骨の発堀例の多さからみて,その皮革,毛皮の利用がひろく行なわれたと推定づき,民族誌の事例につき,その原型と発堀のプロセスを採り得るであろう。 2、食について,考古学上は状況証拠以上に出るものは乏しく,民族誌によって狩猟民の食生活を考察することが重要であるが,トナカイをはじめとするシカ類,魚類,海獣類が中心である。 3、住について、前2者に比して遺物として古いものを知る手がかりがあり,考古学と民族誌の成果の比較が容易である.生業とのかかわりから,移動式住居と定居式住居の区別について,時代,地域の問題が興味あるテ-マがある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 斎藤 晨二: "ヤク-チアにヒトはいつからいたのかー「シベリア最古の人類遺跡にてー" モンゴロイド. 8. 10-12 (1990)
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[Publications] 小谷 凱宣: "アラスカ原住民の生活の変遷:「アラスカ原住民要求解決法」をめぐって" 民族文化の世界(下)社会の統合と動態(阿部、伊藤、荻原編). 7. 595-612 (1990)
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[Publications] A.コンドラトフ(斎藤 晨二訳): "北極大陸物語" 地人書房(京都), 203 (1991)
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[Publications] A.ラウス(小谷 凱形訳): "考古学への招待ー先火時代の民族移動" 岩波書店(東京), 231 (1990)
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[Publications] 小谷 凱宣(編著): "北方諸文化に関する比較研究" 名古屋大学教養部, 344 (1990)