1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02402010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八田 一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (70016070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩 名古屋大学, 工学部, 助手 (80236314)
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Keywords | 脂質 / リン脂質 / 生体膜 / 構造形成 / 超分子 / 構造解析 / X線回折 / 小角散乱 |
Research Abstract |
1.多重層リン脂質膜のLβ^,,Pβ^,,Lα^,相での炭化水素鎖のつくる格子定数の変化を位置敏感型検出器および2次元検出器のイメージング・プレートを用いたX線広角実験より測定した。 2.上の測定は平行して行ったフリーズフラクチャー電子顕微鏡観察の結果と一致した。しかし、目標としていたPβ^,相での炭化水素鎖の秩序パラメーターの空間変調とミクロドメイン構造の関係ははっきりとはしなかった。この問題の解決のために配向した試料を作成し、実験を行う必要がある。 3.酸性リン脂質とカルシュムイオン、ポリペプド(ポリリジン)、簡単な構造をもつ蛋白質(メリチン)との相互作用をX線広角回折実験で、リン脂質の炭化水素鎖のつくる格子構造を調べることから検討した。その結果、ポリリジンでは炭化水素鎖の格子構造に変化は認められなかった。つまり、ポリリジンとリン脂質の極性頭部との相互作用ではその影響は炭化水素鎖に及ばないことがわかった。それに対し、カルシュウムイオン、メリンでは炭化水素鎖の格子構造を変化させた。ただし変化のし方は両者で異なり、カルシュウムイオンは格子の秩序度を高める方向に作用するのに対し、メリチンでは炭化水素鎖を乱す作用があることがわかった。また、カルシュウムイオンの場合はリン脂質分子に対する結合数の違いにより、その炭化水素鎖の格子構造は異なっていた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Matuoka: "Condition for the appearance of matnsta ble Pβ pgase in fully hydrated phosphatidy lchoines as studied by Smallanhle X-ray diffraction" Biophysical Journal. (1933)
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[Publications] Ichiro Hatta: "Phase transticn and Polymorphism in Phospholipids" Phase Transtions. (1993)
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[Publications] Haiahiko Yao: "Time-resclved diffraction and calorimetric Studied at low scan rates ll.On the fine structure of phase Transitions in hydrated dipalmitoy lphoshatidy lethand lamine" Biophysical Jourhal. 61. 683-693 (1992)
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[Publications] 八田 一郎: "生体膜モデル系がとる多形" 表面. 46. 273-280 (1992)
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[Publications] Hiroshi Takahashi: "Effects of poly(l-hysine)on the structural and thermotropic properties of depalmitor lphospatidyl glycerol bilayers" Biochimica et Biopnhsica Acta. 1110. 29-36 (1992)