1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02402014
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 利紘 東京大学, 理学部, 教授 (70011616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 和之 東京大学, 理学部, 助手 (30221914)
岩上 直幹 東京大学, 理学部, 助教授 (30143374)
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Keywords | 温室効果 / メタン / 広域分布 / 発生源 |
Research Abstract |
大気メタン濃度の増加原因が大気供給源強度の増大にあるのか、大気消失反応の衰退によるものか、まだ確定してはいない。またメタンの大気供給源として知られる各種の発生源の強さとその変動は十分に解明されてはいない。この研究は、新規に開発した大気メタン連続測定器によって、対流圏メタン濃度の水平・鉛直分布を人間活動および自然生態系の様態を考慮しながら広域的に測定する。得られた測定デ-タを解析して、発生源強度分布を推定し、メタン濃度増加の原因究明に資する。 平成2年度に製作した測定器を南極観測船「しらせ」に搭載して、南極への航海途上に観測を実施する機会があった。この観測は振動・動揺体プラットフォ-ムでの性能テストと、測定への水蒸気の影響検査を兼ねたものであった。この観測デ-タを解析した結果、デ-タ処理操作により、5%程度の測定精度は実現しており、測定デ-タがメタン濃度の緯度分布を描き出していることは判明した。しかし、当初意図した測定器の性能、すなわち時間分解能10秒以内で1%の精度という性能にはまだ開きがある。試作器の動作テストを続行した結果、測定精度を規定しているのは主にレ-ザ-光特性の安定性であり、特に温度変化が安定性をそこなう主原因であると推定できる根拠を得た。レ-ザ-発振管周囲温度の空間的均一性と安定性を保証すれば、所定の測定精度を達成できるものと考えるに至った。このような考えのもとに、改良した測定器を設計し直し製作した。今後テストを行い、性能を確認する予定である。一方発生源調査のためには、測定高度や時間分解能の点から、航空機よりも飛行船を利用する方がメリットがあるので、飛行船の利用を検討することとした。現場検分の結果、技術的には飛行船の利用は十分可能であるが、予算の関係で平成3年度内には実現させることができなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kondo,Y.: "Measurements of nitric oxide and ozone in the troposphere from midーlatitude to equator." Papers on Meteorology and Geophysics. 42. 21-29 (1991)
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[Publications] Ogawa,T.: "Stratospheric ozone profiles based on the EXOSーC satellite data." Advances in Space Research. 12. (1992)
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[Publications] Iwagami,N.: "Nitric oxide variability in the lower thermosphere at low latitudes." Advances in Space Research. 12. (1992)
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[Publications] de la Noe,J.: "Comparison of stratospheric and mesospheric ozone profiles obtained by groundーbased and satellite observations." Journal of Atmospheric Chemistry. 14. (1992)
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[Publications] Pommereau,J.P.: "Balloon observations of nitrogen dioxide by visible occultation during GLOBUS NO_x." Journal of Atmospheric Chemistry. 14. (1992)
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[Publications] 小川 利紘: "大気の物理化学" 東京堂出版, 224 (1991)