1990 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟ビ-ム磁気浮上実験によるHー無限大制御理論の有効性検討
Project/Area Number |
02452179
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松村 文夫 金沢大学, 工学部, 教授 (40019724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 政之 金沢大学, 工学部, 講師 (90181370)
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Keywords | 柔軟構造物 / 磁気浮上 / 磁気軸受 / 振動制御 / 制御系設計 / Hー無限大制御 / ロバスト制御 / DSP |
Research Abstract |
磁気浮上は磁気の力を用いて物体を非接触で浮上させる技術である。それには各種の方式があるが、その中でも磁気吸引力を制御する方式のものが高い性能が得られ、かつ各種産業への応用の可能性が大きい。磁気浮上列車はもちろん、クリ-ンル-ム用磁気浮上式搬送車、超高速磁気軸受はいずれも今後のハイテク時代に向けて重要になるものである。 これらにおいて、性能の向上を追求して行くと構造物の機械的振動が問題となってくる。本研究では、その振動問題を中心に取り上げるため、柔軟ビ-ムの磁気浮上を対象とした。そこにおいてどんな制御方式をとるかが大きな問題となる。近年、Hー無限大制御理論が急速に進展しつつあり、同時にその理論の実証、有効性の確認が求められており、ここに研究の主眼をおいた。 本年度は以下に示す研究を行った。1.柔軟ビ-ム実験装置の設計、製作(構造物を設計製作し、制御電磁石、位置センサ、制御器、電力増幅器を取り付けた。)2.数式モデルの作成3.Hー無限大制御理論による磁気浮上制御系設計(この理論で必要となる周波数重み関数を検討し制御系を設計した。)4.制御・計測システムの製作(制御器はパ-ソナルコンピュ-タ、DSPボ-ド、AD/DA変換ボ-ドを用いてディジタル的に構成した。)5.実験(FFTアナライザを用いて実験デ-タを記録し、結果について周波数分析を行った。)6.調査(磁気浮上、制御系設計理論等に関して最新の情報を集めた。) 以上の結果、周波数重み関数を適切に選べばHー無限大制御理論はこの種の振動問題に極めて有効であることがわかった。今後なお、周波数重み関数について深く検討する必要がある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 松村 文夫,藤田 政之: "H^∞制御理論を適用したロバストな磁気浮上系" 電気学会論文誌D. 110ーD. 1051-1057 (1990)
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[Publications] 藤田 政之,松村 文夫: "磁気浮上システムのH^∞制御" 電気学会雑誌. 110. 661-664 (1990)
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[Publications] 松村 文夫: "実用化が始まった磁気軸受ー新しい構想の非接触ベアリングー" 電気学会雑誌. 111. (1991)
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[Publications] F.Matsumura,M.Fujita: "Modeling and Control of Magnetic Bearing Systems Achieving a Rotation Around the Axis of Inertia" Proceedings of the Second International Symposium on MAGNETIC BEARING. 273-280 (1990)
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[Publications] M.Fujita,F.Matsumura: "H^∞ Robust Control Design for a Magnetic Suspension System" Proceedings of the Second International Symposium on MAGNETIC BEARINGS. 349-356 (1990)
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[Publications] 森 泰親,藤田 政之: "線形離散時間系における選択的折り返し法とその適用事例" 計測自動制御学会論文集. 26. 108-110 (1990)
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[Publications] 谷 順二,松村 文夫,他: "電磁力応用機器のダイナミックス" コロナ社, 190 (1990)
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[Publications] 松村 文夫,他(電気学会磁気浮上方式調査専門委員会): "電気学会技術報告 磁気浮上方式と関連技術" 電気学会, 62 (1990)