1990 Fiscal Year Annual Research Report
高温および低温物質の地下岩盤内空洞貯蔵に関する研究
Project/Area Number |
02452228
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
稲田 善紀 愛媛大学, 工学部, 教授 (10116907)
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Keywords | 熱水貯蔵 / 岩盤内空洞 / 温度降下 / 低温物質 / 液漏れ / ガス漏れ / 水封式 / 氷ライニング方式 |
Research Abstract |
1.高温物質の地下岩盤内空洞貯蔵 愛媛県菊間町および久万町の現場においてそれぞれ花崗岩および安山岩を使用し,熱水貯蔵時の岩盤の熱特性について実験を行い,別に要素分割法および有限要素法を用いた解析結果とを比較検討した。得られた成果を要約すると次のとおりである。 (1)花崗岩・安山岩の孔周辺の温度分布の経時変化ならびに熱水の温度降下を測定した結果,両者には大きな差がみられなかった。また,解析値とはよく一致し,要素分割法による解析は実際の現象をよく再現し得ることがわかった。 (2)花崗岩・安山岩中に熱水を貯蔵した場合の孔壁のひずみを測定した結果,孔は中心に向って,また上面の自由面に向って膨張することがわかった。有限要素法による解析結果と比較したところ,実験中に発生した亀裂により測定値とは多少差が認められた。 2.低温物質の地下岩盤内空洞貯蔵 空洞の収縮によって生じる亀裂からの液漏れ,ガス漏れ対策として水封式および氷ライニング方式を適用することを提案し,実験および解析により検討した。得られた成果を要約すると次のとおりである。 (1)色粉を用いて水封式の効果を実験によって確かめた結果および解析の結果から,有効な手段となることがわかった。 (2)氷ライニング方式を適用した場合,氷の層で体積膨張によりせん断破壊することが実験および解析によって確かめられ,氷に生ずる応力を軽減する方法の検討が必要であることがわかった。 (3)多孔質物質に水を含ませてみかけの水分量を減少させ氷のライニングを設ける場合には有効な手段となることが実験および解析によって確かめられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 稲田 善紀: "岩盤内亀裂への冷気漏出防止に関する二三の知見" 愛媛大学工学部紀要. 12. 119-128 (1991)
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[Publications] 稲田 善紀: "熱水貯蔵時の空洞の安定性と漏水に関する基礎的研究" 土木学会論文集. IIIー14. 227-234 (1990)
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[Publications] 稲田 善紀: "冷凍食品貯蔵倉庫としての岩盤の利用と冷気漏出対策" 第8回岩の力学国内シンポジウム論文集. 187-192 (1990)
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[Publications] 稲田 善紀: "岩盤内熱水貯蔵システム" 第2回ア-バンインフラ・テクノロジ-技術研究論文集. 313-318 (1990)