1990 Fiscal Year Annual Research Report
セラミクス/金属接合界面に生ずる活性金属の偏析層の生成機構と接合界面の組織制御
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02452250
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
峯岸 知也 千葉工業大学, 工学部・金属工学科, 教授 (10083817)
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Keywords | セラミクス接合 / ろう接 / 界面偏析 / 電界誘起偏析 / 電解移動 / セラミクスの分極 / セラミクスの電導度 / 界面組織 |
Research Abstract |
(1)AIN,ZrB_2について、熱衝撃電流(TSC)を測定した結果、絶縁生の高いAINは900k付近から負に分極するが、室温でも電導度を有するZrB_2は、500k付近から分極し,その分極起電力は、AINに比し2桁小さいことが判った。しかしながら、電導度は、ZrB_2の方が2桁以上大きいことから、得られる電気量は、大差ないことが予想されるに至った。SiC,Si_3N_4,AI_2O_3,ZrO_2についてもTSCを測定してみた結果、いずれも負に帯電し、TSC発生温度は、対となる金属及び、これの変態とは無関係に、セラミックス固有と思われる温度から発生し、その結晶構造、すなわち、共有結晶、イオン結晶性によって、発生温度に差を生ずるが、本質的には、真性半導体化する温度の高低に依存するのではないかと予想するに至った。界面に接する金属との間で、電子、正孔の消滅が原因して分極し、分極起電力を発生、融体金属に対して電界偏倚を誘発するに至るものと予測される。(2)界面における含Tiろう材中のTiは、セラミック界面に偏析し、外部電界によってその量は変化し、偏析量を制御できることを明らかにすることができた。すなわち、偏析量は、電流の大きさ、電解時間に比例する。また通電量が一定ならば、ろう付温度には無関係に一定であることが判り、Faraday則を満足することが判った。 (3)インピ-ダンス測定による解析は、未だ十分出はないが、分極と電導度とは直接関係がないように考えられる。次年度にも解析を続ける予定である。 (4)この研究の過程で、この現象を利用すると、金属/セラミクス複合材の界面組織の制御のために合金成分が如何にあるべきか、合金設計の指針が得られるように思われるので、この研究の体系化により次は、健全な金属/セラミクス複合材の製造とその性能改善の為の理論として取り上げ、取り組んでみたいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 桜井 健夫,峯岸 知弘,諸住 正太郎,浜島 和雄: "活性金属ろうにより接合した二ほう化ジルコニウムの接合界面組織" 日本金属学会誌. 54. 832-838 (1990)
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[Publications] 峯岸 知弘,諸住 正太郎,桜井 健夫: "金属・セラミクス接合界面における活性金属の電界誘起偏析" 日本金属学会会報. 29. 948-953 (1990)