1991 Fiscal Year Annual Research Report
重度脳性マヒ児の不随意運動と随意運動の分離抽出に関する研究
Project/Area Number |
02452301
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
末田 統 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (70029528)
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Keywords | 重度脳性マヒ児 / 運動障害 / 随意運動 / 不随意運動 / 身体障害 |
Research Abstract |
今年度は、1)昨年度開発した3次元運動パタ-ンの計測システムの改良、2)2名の重度脳性マヒ児の運動パタ-ンの計測、3)重度脳性マヒ児と聴覚障害児の構音特性の計測を行った。1)の研究は、計測する運動パタ-ンの起点と座標を明確にし、多数回の3次元運動パタ-ンを比較検討し易くする目的で行われたもので、各試行を行う前に原点、X軸上の点、Y軸上の点の3点を指示させるようにした。これによって、提示パタ-ンの座標を同定出来るようになった。2)で計測したデ-タは、四角、丸、三角、Xの4つの指示パタ-ンに対する軌跡である。右手、左手それぞれについて計測した。デ-タは現在整理中であり、来年度も引き続き整理し、研究を行う予定である。3)は申請当初無かった研究であるが、本研究を進める上で不随運動の特徴を見るために研究テ-マの中に含めたものである。本研究の目的は、重度脳性マヒ児の筋肉運動に含まれる随意運動成分を取り出してスイッチ動作等に応用する基礎資料を得ることである。手の運動以外に、音声発生機能にも、不随意運動が関与し、発生音声が不安定になっていることが研究の経過と共に、当然のこととして予想された。そこで、康聴児、聴覚障害児で計測されている音響パラメ-タを重度脳性マヒ児についても計測し、その安定性を見ることにした。聴覚障害児2名と重度脳性マヒ児2名を被験者にして30日間にわたり単音50音を発声させ、ディジタル音声レコ-ダに録音し、語音明瞭度(人による認識度)の計測、音響パラメ-タ(ホルマント周波数と持続時間)の分析を行った。その結果、重度脳性マヒ児の発語訓練の現場で予想した以上に音響パラメ-タが不安定であり、日本人成人多数に対応するくらいの範囲で音響パラメ-タが不規則に変動することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 末田 統: "重度脳性マヒ児の上肢運動パタ-ンの3次計測" 第6回リハ工学カンファレンス論文集. 259-260 (1991)
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[Publications] 小栗 雅美,末田 統: "構音障害児の音声パラメ-タの計測ー麻痺性構音障害を中心にー" 第6回リハ工学カンファレンス論文集. 371-374 (1991)
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[Publications] 小栗 雅美,末田 統: "構音障害児の音声の安定性について" 第17回感覚代行シンポジウム論文集. 119-124 (1991)