1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02453155
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 靖彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (20016869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼塚 初喜 旭化成工業株式会社ウラン濃縮研究所, 主幹研究員
野村 雅夫 東京工業大学原子炉工学研究所, 教務職員 (60100997)
富安 博 東京工業大学原子炉工学研究所, 助教授 (50016854)
岡本 眞實 東京工業大学原子炉工学研究所, 教授 (40016853)
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Keywords | ウラン / クロマトグラフィ- / イオン交換 / 同位体効果 / 質量分析 / ウラン濃縮 / 同位体分離 / 化学交換法 |
Research Abstract |
同位体効果の質量依存性について広く検討するため、一段の化学交換平衡における同位体効果の大きいアマルガム法について、ルビジウム、バリウムの水溶液相とアマルガム(水銀)相間の同位体分配係数(即ち、同位体分離係数)を測定し、原子量と分離係数の相関をみた。この目的のため本年度はこれら元素の電解条件を検討し、実際電解による同位体分離実験を行ない、その試料について、表面電離法質量分析計による同位体比精密分析法を検討した。本年度の研究結果では、アマルガム電解条件としてルビジウム、バリウムとも水酸化物水溶液が適当であり、質量分析計による同位体比分析については何れも、ヨウ化物が適当であるという結果を得た。ルビジウム、バリウムについて得られた同位体分離係数を既に報告されているリチウム、カリウム、カルシウムと比較すると、単位質量差当りの同位体分離係数(ε/〓M)が原子量Mの2乗に反比例する関係が軽い元素からルビジウムまで適用でき、バリウムでは僅かにこの関係から外れ、予想よりも大きくなることが観測された。更に本年度、希土類元素の中のガドリニウムについて陽イオン交換クロマトグラフィ-の基礎実験を行ない置換クロマトグラム生成の条件を探索した。その結果同位体分離用に開発された交換速度の速いイオン交換樹脂と錯形成剤としてEDTA等を用いて置換クロマトグラムが生成する条件を確認した。また質量分析計によるガドリニウム同位体比の分析条件を決定した。ウランについても長距離クロマト運転を行なう装置を組み上げ、運転距離による濃縮度変化について計算機によるシュミレ-ションを行なった。この結果ウラン同位体Uー232,233を用いて距離150m程度のクロマトグラフィ-実験が最適であることが分かり、次年度の実験態勢が整った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 細江 守一: "Rb同位体分析における化学形の影響" 質量分析. 38. 253-259 (1990)
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[Publications] Y.Fujii: "Anomalous Isotope Effect in U(IV)ーU(VI) Exchange System" Abstracts of International Symposium on Isotope Separation and Chemical Exchange Uranium Enrichment. 112-113 (1990)
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[Publications] 富永 博夫(編集委員長)分担執筆: "分離精製先端技術大系" 日本化学会(丸善), (1991)