1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
草薙 得一 京都大学, 農学部, 教授 (50205069)
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Keywords | 雑草害 / 雑草の発生予測 / 雑草の発生診断 / 水稻直播栽培 / 雑草の埋土種子集団 |
Research Abstract |
水稻に対する雑草害の発生予測や診断に必要な基礎デ-タを得る目的で,昨年度に引続き,雑草の発生消長の調査,雑草発生条件と水稻との競合様相との解析などに重点をおいて研究を実施した。実験は乾田直播栽培(直播区)と慣行移植栽培(移直区)を設けて比較した。また直播区は本年度から耕起播種区と不耕起播種区に分けて検討した。 1.作物・雑草の競合要因と生理・生態的機能特性との関係 (1)直播区の雑草群落の特徴は種類組成、発生消長と水稻との競合特性の面から次の4群に分けられた。(1)乾田期間に主に発生し,湛水後に旺盛に生育する草種群;後半の生育環境を悪化し,稻体機能を劣化する(アゼガヤなど),(2)乾田期間と湛水後に発生する草種群;稻体の養分吸收力と光合成機能を低下させ水稻との競合期間が長い(野生ヒエ,カヤツリグサ科など),(3)乾田期間の後期から湛水後にかけて発生する草種群;生育期間や水稻との競合力は草種により差異が大きい(アゼナ属,ヒメミソハギ属など),(4)主に湛水後に発生する草種群;発生量は少く典型的な水生雑草(コナギなど)。(2)移植区は直播区に比べて雑草の種類,発生量ともに少く,また個体も小さかった。(3)雑草害は雑草発生量に明瞭に対応した関係が認められ,直播区では最大減收率82%となり,タイヌビエ1本の発生でも5%の減收となった。競合の影響は茎数の抑制が穗数の減少に強く結びつき,これが減收の主因となった。 2.除草時期と水稻の生育・收量との関係 (1)乾田期間を無除草状態におくだけで10〜15%の減收がみられた。雑草発生量は不耕起区が耕起区よりも多かったが,水稻に対する影響は発芽苗立の悪かった耕起区の方に強く現われた。(2)播種機除草期間の異なる区を設けて検討した結果,耕起区で播種後56日間,不耕起区で63日間除草すればその後放任にしても雑草害は認められなかった。
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Research Products
(2 results)