1990 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ-・ビ-ムを用いたアルゴン抽出による ^<40>Arー ^<39>Ar法の開発
Project/Area Number |
02554028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30011745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 講師 (40206909)
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Keywords | ^<40>Arー ^<39>Ar年代測定 / アルゴンレ-ザ- / 希ガス抽出 / 岩石・鉱物 / 段階加熱 / 超高真空 |
Research Abstract |
本年度は, ^<40>Arー^<39>Ar年代測定に必要な試料からの希ガス抽出法として,岩石・鉱物の局部加熱の条件に最も適したアルゴンレ-ザ-を用いた希ガス抽出装置の製作に主眼をおき,研究を進めた。レ-ザ-ビ-ムにより加熱する試料中の正確な位置を決めるため,実体顕微鏡下に試料を置き,試料の位置を微調整する機構を開発した。また試料からの希ガス抽出を目的とするため,試料溶器を超高真空にする必要がある。そのためにタ-ボ分子ポンプと油回転ポンプを組み合わせた排気系を採用した。また試料の交換による時間的損失を少なくし,真空条件を良くするため,連続して4試料が測定できるような試料容器を製作した。溶器内を超高真空にするために排気系との接続が必要であるが,一方で試料容器の移動も必要である。この条件を満たすために試料を扇形の基盤内に配置して,無理な力が排気系に及ばないように工夫した。 レ-ザ-本体としては,岩石・鉱物等を容易に溶解し得ること,レ-ザ-ビ-ムの出力を変えることにより段階加熱に相当する操作を可能にするという要件から,5〜10Wの出力をもつアルゴン連続ビ-ムレ-ザ-を採用した。また対象とする試料からの脱ガスは極微量なので,測定系である四重極型質量分析計への導入部分を可能な限りコンパクトにして,分析途中でのガス損失を少なくするように努めた。脱ガスしたガスの精製にはゲッタ-ポンプを採用しているが既製品なので全体の系に比べて容量が相対的に大きく,その代りに小型のチタン炉による精製も検討中である。 今後は,この抽出装置と四重極型質量分析計の組み合わせにより, ^<40>Arー ^<39>Ar年代測定への応用のための基礎デ-タを得る予定である。
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