1990 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン伝導体を用いた新規な炭酸ガスセンサの開発
Project/Area Number |
02555163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 喜雄 日本合成ゴム(株), エレクトロニクス研究所, 所長
坂口 裕樹 大阪大学, 工学部, 助手 (00202086)
今中 信人 大阪大学, 工学部, 助手 (30192503)
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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Keywords | 炭酸ガスセンサ / リチウムイオン伝導体 / 固体電解質 / 地球温暖化 / 温質効果 |
Research Abstract |
リチウムイオン伝導体を用いた炭酸ガスセンサの固体電解賃として気密性を高めるためにLi_3PO_4等をLiTi_2(PO_4)_3固体電解質中に混合するなど固体電解質自体の改良、ならびに、素子の改善によりCO_2濃度80ppmー1%と広い範囲において測定できる知見が得られた。また、排ガス中での検出を踏まえ、排煙中に存在する代表的なガスである硫黄酸化物(20ppm)、窒素酸化物(100ppm)を炭酸ガスとともに共存させて炭酸ガス検出能を調べた。 その結果、窒素酸化物に関しては全く影響されず、また、硫黄酸化物に対しては20ppmまでは悪影響を受けず、脱硫処理後後排ガス中のCO_2検出が十分可能であることがわかった。さらに、排煙ガス中には燃焼により水蒸気が存在する。 そこで、水蒸気の影響を調べるため、水蒸気を含んだ空気と炭酸ガスを高温で種々の割合で直接混合し、種々の濃度で水蒸気が存在しているときのこのセンサの炭酸ガス検出能を調べた。絶対湿度220g/m^3まで水蒸気濃度を変えて測定したところ、1000ppmから1%までの炭酸ガス濃度では起電力値はほとんど変化せず、選択的に炭酸ガスを検知することがわかった。 一方、炭酸ガス濃度が1000ppm以下の低濃度範囲では水蒸気量が増えるほど起電力値は低下した。これは検出側のリチウム種と水蒸気との反応により水酸化リチウム等が生成し、炭酸リチウムの生成を妨げ、このことが低濃度での起電力値低下に影響を与えたものと考えられる。また、CO_2検出下限が80ppmであったのは素子と無機接着剤部分での徴小なマイクロクラック発生により、ガス漏れを生じ、CO_2濃度80ppmに相当する計算起電力値からはずれたものと考えられ、これらの改善が今後の課題である。
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[Publications] Nobuhito Imanaka: "A Carbon Dioxide Gas Probe Based on a Lithium Ionic Conductor" Chem.Lett.,. 497-500 (1990)
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[Publications] Nobuhito Imanaka: "Selective CO_2 Detection with a Lithium Conductor Based sensor" Chem.Lett.,. 13-16 (1991)