1991 Fiscal Year Annual Research Report
急傾斜地森林作業の育林作業効率向上を目指した作業機械と作業方法の開発
Project/Area Number |
02556019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南方 康 東京大学, 農学部, 名誉教授 (00011841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹下 健 東京大学, 農学部, 助手 (20179922)
仁多見 俊夫 東京大学, 農学部, 助手 (20192255)
八木 久義 東京大学, 農学部, 助教授 (80191089)
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
小林 洋司 東京大学, 農学部, 教授 (00111394)
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Keywords | 育林作業 / 急傾斜森林 / 下刈作業 / 機械化 / 半脚式車両 / 作業精度 |
Research Abstract |
急傾斜森林における育林作業を対象とし、作業の効率と労働安全衛生を向上させるという観点から育林作業用機械と機械化育林作業方法について検討した。育林作業は下刈作業を想定した。植栽木から下刈地までの刈残し幅が40cm以下では、刈残された雑草は苗木の成長を大きく阻害しないことが推測された。また、林内を車両が歩行、走行する場合を想定して植栽木から一定間隔で溝を堀って成長を測定したが、土壌の撹乱が苗木から50cm以上離れている場合には、成長が大きく阻害されることはないと推測された(丹下地1992)。さらに、機械による育林作業を、作業機を取り付けたブ-ムを施回動作させながら行うことを想定し、植栽木を跨ぎながら作業を行う方法および植栽木の列間に車両が入って作業を行う方法の有効性について、車両の大きさ、機構と関連させて検討したが、現在の1.5mの脚伸展量を短くして動作を円滑にすることが得策であると考えられた。車両は、傾斜地においても高い機動性を有する脚式車両としたが、今年は特にナックルブ-ム機構の脚2本による駆動機構の統合制御について検討を進めた。すなわち、1本の3自由度制御レバ-によって1本の脚の動作を制御するものである。制御機構とアルゴリズムを明らかにし、制御装置を試作した。さらに、脚動作の精度について実験を行い、適切な御制パラメ-タを見いだすとともに、脚先の動作をレバ-方向への直線動作に近づけた(仁多見他1992)。また、グラップルクレ-ンの作業中の動作を観測し、操作の複雑さと手順についても検討を加えた(岩岡ほか1992)。 平成4年度は、林内作業での当該車両の使用を想定して、林内での歩行並びに下刈作業実験を行う。それらによって適切な下刈作業を行う際の操作方法について明らかにする。以上について、3年間の研究成果を、作業機械化及び造林的観点から取りまとめる。
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[Publications] 仁多見 俊夫: "半脚式車両の脚制御システム" 日本林学会102回大会論文集. 102. 709-710 (1991)
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[Publications] 仁多見 俊夫: "半脚式車両の脚動作の精度" 日本林学会103回大会論文集. 103. (1992)
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[Publications] 丹下 健: "下刈作業の機械化に関する研究" 日本林学会関東支部43回大会論文集. 43. (1992)
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[Publications] 田坂 聡明: "脚式歩行機械のための制御システムの検討" 日本林学会関東支部43回大会論文集. 43. (1992)
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[Publications] 岩岡 正博: "グラップルソ-を用いた土場作業" 日本林学会関東支部43回大会論文集. 43. (1992)