1990 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンレセプタ-遺伝子異常型糖尿病の簡単遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
02557017
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 日出喜 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (10218589)
村上 尚 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (40210009)
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Keywords | インスリンレセプタ-遺伝子異常 / 糖尿病 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
我が国における糖尿病の大部分はインスリン非依存性(成人型)糖尿病であり、約200万人いると推定されている。この糖尿病は遺伝因子とストレス、肥満などの外因子が加わり発症すると考えられているが、その遺伝因子については現在のところ明らかではない。本研究はインスリンレプタ-遺伝子異常が、インスリン非依存性(成人型)糖尿病の遺伝因子の一つとして考えられるとの立場から、まずこの型の糖尿病患者の中にどれほどの頻度でインスリンレセプタ-遺伝子異常が存在するのかを検索する。NIDDMは文明病の1つであり、過去において軽度なインスリンレセプタ-遺伝子異常は特にヘテロの場合生存に不利でなかった可能性が考えられる。また日本という島国としての地理的条件を考えると、我々のpopulationの中にはNIDDMの遺伝素因の1つとしていくつかのタイプのレセプタ-遺伝子異常が存在する可能性がある。そこで頻度の高い変異に対して遺伝子簡易診断法を確立することにより糖尿病発症を未然に防ぐことが可能と考える。典型的なNIDDM患者血液約100人より染色体DNAを純粋に分離した。βサブユニットチロシンキナ-ゼドメイン中のExon17に関しPCR法で増幅し、自動DNAシ-ケンサ-および従来のアイソト-プを用いる手動シ-ケンス方法を用いて、すでに論文にて発表されている直接シ-ケンス方法を検討した。父及び母由来の遺伝子の配列が異なる場合、自動DNAシ-ケンサ-では対応できないことがあると判明した。したがって自動DNAシ-ケンサ-は本目的のためには適当でない。手動シ-ケンスに切り替える必要が生じてきた。Exon17.40検体において1つのポリモルフィズムが発見されたが、アミノ酸置換は見られなかった。今後さらに検索を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shimada,F.,Ebina,Y.et al.: "Insulinーresistant diabetes associated with partial deletion of insulinーreceptor gene." The Lancet. 335. 1179-1181 (1990)
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[Publications] Araki,E.,Edina,Y.et al.: "A cluster of four Spl binding sites required for efficient expression of the human insulin receptor gene." J.Biol.Chem.
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[Publications] Hayashi,H.,Ebina,Y.et al.: "Evidence that phosphatidylinositol 3 Kinase is a substrate for insulin receptor tyrosine kinase." J.Biol.Chem.