1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02557063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 慶紀 東京大学, 医学部・産婦人科, 助教授 (20010324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 信也 東京大学, 医学部・産婦人科, 助手 (90193979)
上妻 志郎 東京大学, 医学部・産婦人科, 助手 (30143457)
岡井 崇 東京大学, 医学部・産婦人科, 講師 (40126016)
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Keywords | 人工子宮 / 人工胎盤 / 胎児 / 人工羊水 / ヤギ |
Research Abstract |
現在の周産期医療では救命不可能な未熟児・病児の保育を可能にする「人工羊水中での胎児保育装置(人工子宮)の開発」を目的とする。我々はarterioーvenous extracorporeal membrane oxygenation(AーV ECMO)による胎仔子宮外保育装置を開発し、ヤギ胎仔の子宮外保育を行なってきた。既に200時間以上の子宮外保育が可能になっている。我々のシステム下のヤギ胎仔はある程度の安定した状態を維持しているが、今後の臨床応用を考える上で必要なのは、子宮外保育中の胎仔の状態変化(循環・代謝・内分泌・酸素消費等)を詳細に検討し,胎仔にとってよりストレスが少なく、安定した環境を提供するための条件を知ることである。 平成2年度は以下の機器を購入した。(1)コ-ニング血液ガス分析装置Mー170(2)電磁流量計MFVー3100(3)インフュ-ジョンポンプMODEL22(4)クリ-ンベンチ(5)人工子宮用インキュベ-タ(特製) 人工子宮開発のためのこれまでの基礎的なデ-タから、来年度の新システムを用いた実験の実施の準備を行なった。 ヤギ胎仔子宮外保育実験を20回行なった。その結果、以下のことが明らかになった。(1)胎仔の長期保育に際して、循環負荷となる頻回を採血、輸血は胎仔の循環を急速に悪化させる。(2)胎仔脳波の周期性は子宮外保育中も安定して保持されている。(3)胎仔の呼吸様運動をはじめとする胎児期独特の運動は子宮外保育中も保持されている。 装置の改良については、平成2年度で設計をほぼ完了するところまで進んでいる。問題点はすでに検討が終っており、3年度には、臨床応用のためのデ-タを整理することの容易な装置が完成する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 海野 信也、桑原 慶紀、水野 正彦: "人工子宮開発の現段階" BIO INDUSTRY. 7. 322-331 (1990)
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[Publications] 海野 信也,桑原 慶紀,篠塚 憲男,上妻 志郎,岡井 兼,水野 正彦,桑名 克之: "〓帯動静脈AーV ECHOによる子宮外保育下ヤギ胎仔のガス交換動態" 人工臓器. (1991)
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[Publications] Nobuya Unno,Yoshinori Kuwano,Norio Shinozuka,Kazuhiro Akiba,Takashi Okai,Shiro Kozuma,Masahiro Mizuno: "Development of avfificial placenta:Orygen metabolisum of isolated goat fetuses with umbilical avtevioーvenous extracorporeal membrane oxygenation" Fefal Therapy.
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[Publications] 海野 信也,篠塚 憲男,秋葉 和敬,武知 公博,香川 秀之,根本 明彦,小松崎 潔,上妻 志郎,岡井 兼,桑原 慶紀,水野 正彦,桑名 克之: "〓帯動静脈AーV ECMOによる子宮外保育実験におけるヤギ胎仔の循環系の反応" 膜型肺. (1991)